第4回定例会で「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」が否決されました

2013年12月12日 15時47分 | カテゴリー: トピックス

第4回定例会にて、「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」が提出され、賛成20、反対24で否決されました。

詳細は、以下のファイルをご覧ください。

特定秘密保護法の撤回を求める意見書

世田谷・生活者ネットワークは、賛成の立場から、桜井純子が以下の意見を述べました。

『 国民は何が本当に行われようとしているのか、見定議員提出議案第7号「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」に対する賛成意見 』

11月26日に衆議院で強行採決され、現在、参議院で審議されている特定秘密保護法は、多くの問題をはらんだ危険な法案だと言わざるを得ません。

1. 特定秘密保護法の問題点

まず、①何が特定秘密にあたるのか、行政機関の長が恣意的に決めることができること、②特定秘密の指定、解除、適正評価の実施状況など、その妥当性を個別にチェックすることができないこと、③第3者機関の設置に関して、法案の本則に規定していないこと、④第3者機関のチェック体制が曖昧であり、第3者機関としての独立性、公平性などがのぞめないこと、⑤秘密指定期間を「最長60年」とし、更に例外をもうけたことで、永久非公開に等しいこと、などである。

刑罰も科すような法案の詳細が、「検討する」という答弁を繰り返すような、法案の中身自体に曖昧な部分が多い。これは、罪刑法定主義の立場からも、法律としても体をなしていない。

2. 審議過程の問題点

今回の法案の審議過程にも大きな問題がある。

衆議院では強行採決されたとはいえ、それでも2週間の審議期間であったものが、参議院ではわずか10日ばかりで、審議不十分であり、継続審議の強い意見があるにもかかわらず、新たに「逐条解説」などが、この期に及んでやっと出てきたその日の特別委員会では、その意見を無視して強行採決に踏み切った。

憲法41条に規定されているように、「国会は国権の最高機関であって、唯一の国の立法機関」である。

そして、両議院は「全国民を代表する選挙された議員で組織される」(憲法43条)。よって、国会は主権者である国民の代表するものとして立法にあたるべきである。しかし、その際、国会が正常に運営されていなければ、議会制民主主義の終焉を意味する。

よって、今おきている繰り返される強行採決は、この議会制民主主義の終焉を示唆していることも無視できない。

3. 憲法への言及

特定秘密保護法は、基本的人権の尊重、主権在民、戦争放棄、すべての憲法の3原則に反するものである。

特に、この間指摘されている憲法21条「集会、結社、及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」この規定に違反し、私たち国民が日本国憲法のもと享受してきた基本的人権の侵害にあたるなにものでもない。

市民にとって、その活動を保障されるために重要事項である情報の自由な流通を閉ざし、知らされることも、未来永劫、自国の歴史を検証することもできないことになる危険性をはらんでいるのがこの法案である。民間人であっても、情報をとろうとすると、情報漏洩の教唆として市民自身も処罰の対象とされ逮捕される可能性があるもので、このことにより、言論の自由が奪われることは、明白である。

この法の成立によって、憲法で保障されている「知る権利」は実質意味を失い、国民主権もまた灰燼に帰すことになる。

たとえば、「核を持ち込まず」と謳った非核三原則にもかかわらず、アメリカの情報公開によって白日の下にさらされた「米軍核持ち込み容認」「沖縄密約情報」などを、政府・外務省は「文書不存在」と抗弁し続け、「文書破棄」に至ったものとの事態がある。この沖縄密約文書については、山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルとなったことでも有名である。当時、社会党の衆議院議員楢崎弥之介氏が国会の場で暴露した密約文書を自民党、政府はその後も否定し続け、民主党政権になってやっとその存在を認めたものである。このように、歴史の検証にとっても重要な情報開示が適切に行われること、そのための情報開示の担保がされなくてはならない。国民の知る権利がないがしろにされてはならない。しかし、この法案では権利の侵害こそあるが、権利の保障はされていない。

そして、この動きを注視し、まず、最も警戒しなくてはならないのは、今回の特定秘密保護法を通じて、成文改悪を避けつつ、なしくずし的な解釈改憲、憲法改悪に直結していくということである。これを絶対に許してはいけない。

4. 民主主義への言及:民主主義の破壊

さらに、もうひとつ最も私たちがこの法案の危険性として触れなければならない問題は、民主主義の崩壊(破壊)につながるということである。

民主主義にとって欠かせない参加と発言権の保障は、情報公開が大前提である。ところが、今回の特定秘密保護法は政府が市民にとって重要な情報をとざし、操作する危険性をもっており、国民自らが考え判断する機会を奪うものであり、まさに、民主主義国家にとって危機的状況である。

2011年3月11日の大震災、その直後の原発事故では、放射線の飛散について正確な情報が伝えられなかったために、多くの福島県民が、放射線量の更に高い地域に何も知らずに、避難し被爆をせざるを得なかった。どれほど多くの福島県民が今まだなお苦しんでいるのか。この事態を引き起こしたことを忘れてはならない。また、今年行われた参議院選挙直後に公表された福島原発の汚染水問題等も、情報開示の操作であり、たとえば、テロの対象になると特定秘密に指定されると、

原発の情報が今以上に隠蔽されることになる。

「何が秘密なのか、秘密である」この言葉がこの法案のすべてを象徴している。

この法案に対してだけではなく、審議から採決の過程は、民主主義の崩壊、破壊のなにものでもない。

国民の間にも反対の輪が大きく広がっている。憲法を護り、民主主義社会を更に発展させるためにも、「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」を世田谷区議会として提出することには大きな意義がある。

国連や世界各国から、日本は情報公開の後進国として指摘を受け、この法案にも多くの懸念が表明されている。今、この法案を無自覚に成立させることがあれば、それこそ日本は国際社会の中で、対等な関係を結ぶことすらできなくなる。

私たち国民は、何が本当に行われようとしているのか見定めるとともに、たとえこの法案が成立したとしても、子どもたちの未来を守るためにも、特定秘密保護法に対し、撤回、廃案を求め続ける決意である。

生活者ネットワークは、特定秘密保護法には断固反対である。

以上、議員提出議案「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」への賛成意見とする。