18年度決算に反対!

市民との協働が後退

区議会第3回定例会が終わりました。
今議会では18年度決算認定審議が行われましたが、18年度一般会計予算は「区民の安全安心のためには、まず道路」とアピールする熊本区政の特徴を色濃く出した予算配分で、当時の会派「民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合」では、初めて反対を表明した予算でした。その決算認定に生活者ネットワークは、下記の理由から反対しました。

数字で見る限りは、おおむね健全な財政運営といえますが、しかし、自治体の憲法といわれる「基本構想」の根幹に区が掲げている「区民主体のまちづくり」を大きく後退させた18年度でした。

大きな予算を配分した安全安心施策では、18億9000万円余りの不用額を生じさせています。特に区民や事業者と協働ですすめる必要のある事業や、新たな区民支援事業の目標達成度、予算の執行率が低い結果となり、区政が区民に十分理解されていないこと、これまで区が進めてきた協働のまちづくりが揺らいでいることをあらわしています。

区民と協働のまちづくりをすすめるために支所、出張所を置く「区役所の三層構造」が再編されて1年がたちましたが、窓口業務が縮小されて不便になったというのが区民の声です。土木課と事業者の建築申請窓口が本庁に引き上げられた結果、支所に残った区民と現場との調整役、街づくり課との連携がうすくなりました。

 重点項目には「子どもがいきいきと育つまち」とうたいながら、その中身の大半は子育て支援策であり、子どもが自ら育つ力を伸ばす「子育ち支援」の視点が欠けています。教育ビジョンには高い理想を掲げていますが、学校現場にはいじめや不登校、学級崩壊など課題が山積しています。子どもがのびのびと学べる学校づくりをすすめることが先決です。

男女共同参画社会推進のためには、条例の制定と専門所管の設置が必要であると求めてきましたが、いずれも未だ実現せず、DV対策等いっこうに進展がみられない状況です。

そして区政に大きな禍根を残したのが下北沢の地区計画策定手続きです。全国一律のルールではなく、地域に根ざしたまちづくりルール=地区計画の策定は、まさに「区民主体のまちづくり」の象徴であり、区は街づくり条例を策定して先進的な取り組みをすすめてきました。しかし、下北沢の地区計画では専門家を交えた市民グループから代替案の提案がありながら、協議の場も設けられず、法にもとづく区民意見聴取手続きにおいて、区が賛成意見を誘導するといったことまで行い、決定がなされる審議会には、区役所前や傍聴席の前にたくさんのガードマンが配置されました。

このような姿勢で区政運営が行われた18年度の決算に反対するとともに、20年度の予算編成においては今一度、基本構想にたちかえり「区民主体のまちづくり」を再建することを強く求めました。