「プラごみゼロ・気候非常事態宣言に関する鎌倉市・市議会の流れ」について

2020年1月15日(水)
新春早々に世田谷・生活者ネットワークのメンバー6名で鎌倉市を視察してきました。
鎌倉市における「プラごみゼロ・気候非常事態宣言に関する鎌倉市・市議会の流れ」について、神奈川ネットワーク運動の市議、前市議の方たちにご案内いただき、鎌倉市環境部ごみ減量対策課と環境政策課の方にお話しを伺いました。

 

市役所には、ペットボトルなし(水なども缶入り)の自動販売機やマイカップOKの飲料販売機(マイカップの場合は10円返金)が設置してあります。また給水機には、お茶碗といっしょに水筒などに入れやすいよう漏斗も用意してありました。

 

鎌倉市と神奈川県、横浜市がSDGs未来都市に選ばれたことや、由比ガ浜にうちあげられたくじらの赤ちゃんのおなかからプラスチックがでたことなどから、神奈川県知事が「かながわプラごみゼロ宣言」をいち早くしました。議会でも「プラスチックフリーの街鎌倉を目指して~リデュースの取り組みを~実施することを求める請願書」を採択、議会議案「SDGs目標14“海の豊かさを守ろう”の達成のため、使い捨てプラスチック製品を使わないことでリフューズを推奨するよう国に求める意見書」を可決、「クジラの赤ちゃんからのメッセージを受け止めSDGsの目標を反映させる取り組みを求める決議」がなされました。
鎌倉市議会SDGs議員連盟もでき「SDGsとは何か」の勉強会が開かれ、市議会から「気候非常事態宣言に関する決議」がだされました。
議会の流れなどの説明と、鎌倉ネットとしては、気候非常事態宣言は市長に丸投げではなく、議会として責任をもって議論すべきで、宣言だけで中身がないものになることを危惧していることなどを伺いました。

 

「かまくらプラごみゼロ」については、21分別を実行していること、製品プラスチックの回収、2025年までに焼却炉をなくすという計画など、目標をもって取り組んでいる様子が伺えました。複雑な21分別については、自治体や町会などに市の職員が2人1組(8人でローテーション)で説明にいき、LINEアプリの活用や有料袋の販売店をグーグルにのせるなど若者へのアプローチも考えているとの事でした。また、事業系のごみについても啓発の担当者をおくことで減量に効果がでているということです。発生抑制が頭打ちの中、きめ細かく地道にできるところをやって行くという姿勢がとても素晴らしいと思いました。
ただ、学校教育のところで廃プラのリサイクル問題から、メーカーと協力して合成洗剤の詰め替え袋を利用しプラの再利用を進めている、と聞いた時には思わず「石けん運動」はどうなっているんですか、廃プラ削減のために努力している事は分かりますが、と質問してしまいました。今回は、役所の方の説明のみだったので、同時に、ごみ回収場所やごみ処理場なども併せて見学し、市民がどうやってごみを分別し出しているのか、有料袋はどんなものなのかなど具体的なものも確認できるとよりよかったと思います。

 

鎌倉市地球温暖化対策地域実行計画と再生可能エネルギー・省エネ機器等設置費補助についての説明もしていただきました。実行計画の進捗については鎌倉環境白書で年に一度報告をしているとの事です。温暖化には、先ず意識改革からということなので、分業ではなく、全体での横断的な取り組みにという提案。エネルギーは、再生可能エネルギー100%の活用と調達の2つの方法ですすめるというお話を伺いました。加えて鎌倉のみどりの保全、樹木管理や植木の剪定材からのバイオマス、東電の入札基準の見直しなど様々な意見交換をすることができました。