世田谷・生活者ネットワークでは、以下のとおり緊急要望を作成し10日に提出、本日、代表して田中みち子と高岡じゅん子が、直接、区長に手渡しして要望内容をお伝えしました。
世田谷区長 保坂展人殿
新型コロナウィルス感染拡大防止対策についての緊急要望
2020年4月10日
生活者ネットワーク世田谷区議団
4月7日、国は改正特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令、東京都は8日から様々な行政措置により新型コロナウィルス感染拡大縮減を目指しています。
世田谷区は区独自の判断での緊急対策を昨年度末から続けており、更に新しい事態の対応に日々奮闘する区職員ならびに医療関係者などの懸命な努力に心から敬意を表します。
今般の状況に鑑み、以下の点について、特に留意し区政運営を進められますよう緊急の申し入れをいたします。
1.社会的弱者を守る施策の強化について
~DV被害者、虐待被害児童、単親家庭、生活困難家庭など~
① 安定した住居を持てない社会的弱者への支援
安定した住居を持てない社会的弱者への支援の困難さについては、DV被害者のシェルター確保などの事例から理解していますが、今回、都内においてはインターネット・カフェや24時間営業の飲食店などが休止し仮の住まいすら確保できなくなる一定数の「居住難民」の発生が見込まれています。
・ 4月開設の世田谷区の児童相談所が、居場所を失い補導された児童に対し、単なる家出人として家族に行き渡す前に丁寧な聞き取りを行い、精神的虐待、性的虐待など各種の児童虐待から子どもを守る機能を発揮すること
・ 「全国シェルターネット」からの国への要望書の内容などを参考に、DVや虐待に関する電話相談の機能を強化維持し、必要に応じ区内施設を活用しシェルターを確保すること
・ 不安定な仕事に就く単親家庭など生活困窮者への状況聞き取りを積極的に行い、緊急的な資金援助(各種緊急貸付)などを柔軟に運用し住居の維持確保、居住支援にとりくむこと
・ 区内のインターネット・カフェなどの現状把握を急ぎ、居場所を失う人の支援の充実を図ること
② 社会的孤立から脱却するための食の支援について
世田谷区では早くから高齢者配食事業を実施するなど、食をきっかけに社会的孤立を防ぐ支援施策を実施してきました。昨年度から始まった、子どもへの食の支援事業などもその一環です。新型コロナウィルス対策として外出抑制は必要ですが、この施策は社会的孤立を加速する懸念があります。現行の制度をフル活用し、孤立し食に不自由する高齢者や子どもをつくらないような施策が必要です。
・ 給食休止期間、希望する家庭に対し登校しての給食利用、配食サービスなど様々な方法を駆使し、バランスの取れた昼食を提供し子どもの食を保障すること
・ デイサービス利用停止時も含め、自分で買い物や食事の準備の難しい独居高齢者などの食の状況を調査し、必要な配食体制を整えること
・ 子ども食堂や高齢者の会食などの休止中の課題について早急に調査し、再開に向け課題解決の準備を進めること
2.社会生活を維持するためのサービスの維持について
区役所は区民の身近な生活を支える使命があり、1日も活動を止めることはできません。各職員が自身の健康に留意し感染拡大防止を図ることが何より重要です。区のサービスの多くは民間に委託されており、委託先も含めサービスの提供側と利用者双方の安全を守ることが求められています。以下の2点について特にご留意いただくよう要望します。
・ 保健所への業務集中が報じられています、専門職でなくてもできる事務について応援職員を配置するなど出来る限りの増強
・ 各職場(特に保健衛生清掃業務従事者、介護看護保育現場)への、マスクや消毒用アルコール等の十分な物品の確保と現場への配布
・ 行政窓口や待合スペースなどで、感染が拡がらないようにソーシャル・ディスタンスを確保する
以 上