足立区の近藤やよい区長は23区でただ一人の女性区長、きりっとしてステキな方で、「20年も続いているとことん討論会を今年、足立で開催するまで知らなかった。」という率直な挨拶ではじまりました。
高月先生の基調講演「市民参加の環境活動-3Rから2Rへ-」は、京都市民と京都市と京都大学が一緒になって京都のごみ減量に取組んできた歩みを紹介されました。
とくに行政については、行政が指導して進めるより、市民が中心になって進めていく方が、推進力がある。行政はその市民を支える黒子になること。事業者については、正しい情報を提供することとパートナーシップが重要であるという指摘です。まだまだできていない製品アセスメントで、製品の設計段階から情報を開示して製品が廃棄される最終段階…安全処理やリサイクル方法も含めて情報を示すことが非常に大事と述べられました。
破棄物問題は、物づくりの上流=製造段階での対策が必要であり、製造や販売する側がその責任を負うEPR(拡大生産者責任)がキーポイント。誰もが日々行っている買い物を「グリーン投票」という考え方で環境にいいものを選んで買う行動をしようとお話。日々の買い物が「グリーン投票」なら、正しい情報が必要です。
これから何より大事なことは、環境人材をたくさん育て増やすこと、それには行政が環境活動をしているNPOなど市民と連携することやネットワークを広げていくことが必要だと示されました。
京都市では、実際に京都大学と連携しながら環境への取組みを市民とともに行ってきた実績があり、高月先生のお話を、まさに実践しています。京エコロジーセンターの運営は、2014年度約1億8千万円の予算を京都市が出していますが、運営には行政は入らず事業運営委員会にまかせていること。環境に配慮する人づくり、場づくり、仕組みづくり、環境保全活動への支援、提案、情報発信と交流という目的を明確にしています。
さらに京都市では、今年10月から「京都市しまつのこころ条例」=「2R条例」が施行され、ごみの分別を義務化するということです。さまざまな抵抗もありながら、条例として成立に至ったということは素晴らしいです。
23区の廃棄物対策についての取組みについて、京都市から学ぶことはたくさんあると実感した非常に示唆にとんだ基調講演でした。