第3回定例会 意見 2018.10.19 高岡じゅん子

高岡じゅん子 議員

 

生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成する立場から意見を申します。

 

区の財政にとって、ふるさと納税による減収は依然大きな問題です。NPO団体等市民活動への寄附をガバメントクラウディングで集めるなど、寄附文化の醸成に一層の工夫を凝らし、歳入の確保を図るように求めます。

 

子育ち・子育て支援の充実に関してです。

 

虐待ゼロの世田谷を最優先課題とし、児童相談所移管準備を着実に進めるべきです。ネウボラの子育て利用券や世田谷独自の制度、さんさんサポートなど切れ目のない見守りと支援の仕組みの一層の充実を求めます。

 

平成二十九年度、千二百七十五人の保育定員の拡大を実現し、保育待機児童が五百人を切ったことは評価します。今後も区独自のガイドラインに掲げた保育の質を維持し、着実に保育待機児解消を進めるように求めます。

 

来年度から始まる国の政策による保育の無償化は、区財政にとっても問題の多い制度です。国に対し不公正の是正を強く要望していく必要があります。

子育て世帯の負担軽減として給食費の無償化を進めるべきです。必要な家庭に確実に支援が届く制度設計を求めます。

 

住宅セーフティーネット法を使ったひとり親家庭の住宅確保が実効性のあるものになるよう、都市整備政策部と福祉部署が連携し、関係者団体への働きかけを強め、着実に進めるように要望します。

 

災害対策についてです。

 

地球温暖化による酷暑は、避難所である体育館での活動に命の危険を感じさせるまでに至っています。空調の配備を早急に検討すべきです。

ゲリラ豪雨、巨大台風などに対し、どのタイミングでどの避難所にどういう経路で避難すればよいのか、区民に正確な情報がタイムリーに伝わることが必要です。

 

通学路の安全に関して、ブロック塀などの危険箇所の洗い出しが進み、新たな補助金制度が活用され、これらの危険箇所が速やかに改善されるよう一層の努力を求めます。

 

児童生徒への大雨や強風などに対応した安全教育の充実も必要です。

 

アスベストの飛散対策を強化し、現場への巡回指導の速やかな実施を求めます。

 

グリーンインフラ整備による災害に強いまちづくりを進めることを求めます。駐車場の緑化や雨水利用などについて、集合住宅住民を含め区民周知をさらに進める必要があります。

区における障害者雇用数は五十二人の不足という大変な事態となっています。総務課を挙げて職場環境整備、業務の切り出し、障害者の理解のための研修など、区の信用回復に向けて真剣に取り組む姿勢を今すぐ示すことが重要です。障害福祉所管と連携し、当事者の声を聞き、早急に進めるよう求めます。

 

今般、利用料の値上げを実施した区民集会施設に関しては、利用者の目線に立ち、盗難対策なども含めたサービスの向上を求めます。

 

プラスチックごみの減量に向け、区は率先して使用を減らし、レジ袋の有料化などに関しても積極的に関与していくことを求めます。

廃プラスチック資源の拠点回収は停滞しています。容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチックの分別資源回収を実施すべきです。

 

梅ヶ丘拠点施設への区民の期待は大きいものがあります。来年度、民間施設棟開所に向け、医療・介護スタッフの確保に万全を期し、オープンな運営で区民の期待に応えることを求めます。

 

世田谷型地域包括ケアシステムはまだ発展途上です。外部評価の目を定期的に入れる仕組みを充実し、サービスの質のさらなる向上を求めます。

 

来年度開始予定の中学校の特別支援教室について、小学校で実施していると同様の区教育委員会の手厚い教職員の配置を求めます。全ての児童生徒が多くの友達と生き生きとした学習環境で活動できるインクルーシブ教育の実現に向け、全教職員のより深い障害理解が必要です。

 

生活者ネットワークは、環境と福祉を優先した誰もが暮らしやすい持続可能な社会の実現を目指し、区にも求めてきました。この目標を全世界共通の理念としてあらわしたとも言えるものがSDGsです。この考え方を二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた一過性のものとすることなく、誰一人取り残されない社会の実現を区政全体の柱として位置づけることを提案し、生活者ネットワークの意見といたします。(拍手)