第2回定例会 意見 2020.6.19 高岡じゅん子

高岡じゅん子 議員 生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、議案第五十五号「令和二年度世田谷区一般会計補正予算(第二次)」に賛成の立場から意見を申し述べます。

令和二年度世田谷区一般会計は、当初予算約三千二百七十七億三千万円に対し、五月の一次補正約九百五十四億八千万円に続き、今回の第二次補正四十二億六千万円の増額となり、かつてない四千二百七十四億七千万円という規模に達しています。

今回の補正予算でも、感染症防止対策や教育のICT化などに国や都からの特定財源を有効に使い、さらに梅丘図書館の着工を先延ばしにするなど歳出の削減も図ることで、区の財政バランスを大きく崩さない範囲で必要な施策を実現しようとしている区の姿勢を感じます。

今回の補正予算に合わせ、三月から五月の予備費の使途に関し、報告を受けました。今後も予備費を活用し、迅速な対応を図る必要性も出てくるでしょう。議会へ詳細な報告を行い、財政の健全性と透明性を守った予算執行を求めます。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言は解除になりましたが、社会活動の安全な再開には感染防止物品の配備がまず必要です。一日も早く現場に支援が届くよう進めてください。

さらに、今後の第二波、第三波に備え、保健所の機能強化と地域医療体制の維持、連携の強化のために予算が割かれていることを評価します。保健所の機能強化についてですが、すぐに確保できない専門人材を派遣で補うということは、今の危機的状況を乗り切るためには必要なことですが、長期的には人材の確保や育成、新感染症対策計画の見直しを含め、腰を据えて感染症対策の強化を進めるべきと指摘しておきます。

三か月に及んだ自粛の影響から、暮らしを立て直し、区民生活を支えていくことも重要になっています。高齢者や障害者、保育などの区内のサービス事業者の中にも、この間の影響で経営が厳しくなっているという声が聞こえています。今後も区内の状況を注意深く把握し、特に区民福祉を支える事業者への適時適切な支援を求めます。

日本赤十字社が負のスパイラルを断ち切るために「新型コロナウイルスの三つの顔を知ろう!」というキャンペーンを行っています。病気としての感染症は、社会不安という顔を持ち、不安が差別や偏見につながってしまうことが病気を隠すことにつながり、さらに感染の蔓延を招くという悪循環を断ち切ることを求めるものです。社会不安が増すとき、美しい犠牲、協力団結などの名の下に、差別や排除によって少数者の尊厳を傷つけるような事態が起こりがちになります。

生活者ネットワークは、世田谷区が新型コロナ関連の情報公開に関し、個人を傷つけないことに配慮した手法を取ってきたことを評価します。今後は、事業所などでの発症例などは当事者の了解を取り、速やかに区のホームページでも確認できるようにするなど、区民の冷静的確な行動につながる、今以上に信頼性の高い情報発信を工夫していくことを求めます。

多様性を尊重し男女共同参画と多文化共生を推進する条例を持つ世田谷区として、性別、年齢、国籍、出自などにかかわらず、全ての人権を尊重し、今後も区政を運営していくことを強く求めます。

今年は、平和の祭典オリンピックの開催年であり、第二次世界大戦後七十五周年、そして、広島、長崎の被爆後七十五年目の年でもありました。新型コロナウイルス感染症の拡大のため、ニューヨークで予定されていた核廃絶に向けた被爆当事者による活動もできなくなっています。今回の二次補正で削減されたオリンピック関連の国際交流や多民族理解の活動も予定どおりできなくなっています。

こういった今だからこそ、非核平和都市宣言をしている世田谷区として、平和や核廃絶への思いを様々な手法を使い、発信していただきたいと要望します。区長も平和首長会議のメンバーとして、戦後七十五周年、平和を求めるメッセージを力強く発信していただくということを期待しています。

以上、賛成意見といたします。(拍手)