区議会第1回定例会 金井えり子が一般質問を行いました。質問全文をご覧いただけます。

2021年2月24日

金井えり子

 

令和3年第1回定例会 一般質問

 

質問を始めます。

まず、学校など公共施設における石けん利用の推進についてです。コロナ対策の「手洗い」。石けんの界面活性剤がコロナウイルスに対し、代替消毒方法として有効であるという評価が独立行政法人 製品評価技術基盤機構niteから出されています。殺菌、抗菌が過度になりすぎる中、区立小中学校では、石けんでの手洗いを基本とすると聞いて安心していましたが、今、子どもたちの中で手荒れに悩む子が多くいます。学校では、寒い中、換気をしながら冷たい水で手を洗う状況です。手洗いの回数が増えただけでも手荒れリスクは高くなりますが、加えて手洗い剤によっては、皮膚炎を引き起こすといわれる材料が含まれるものもあります。アレルギーの子どもたちも多く、学校で日常的に使用するものは注意する必要があります。手があれると細かい作業がしにくくなったり、球技などもできなくなります。これは、子どもの発達にも影響することではないでしょうか。

健康な皮膚は弱酸性の皮膜で覆われています。アルカリ性の石けんが皮膚の表面に触れると皮膚本来の弱酸性に戻そうとする中和能という保護機能が働きます。皮脂腺から分泌される皮脂が皮膚常在菌によって加水分解されてできる脂肪酸で中和するそうです。この皮膚常在菌は、石けんで洗うと90%は落ちますが、10%は残ります。強い合成洗剤は、根こそぎ落としてしまいます。本来皮膚が持つ保護機能と常在菌の働きが阻害されると手荒れにつながるのです。

区立小中学校に子どもを通わせる保護者と一緒に、手洗い剤などに関する実態のアンケートをし90校中53校から回答をいただきました。手洗い剤はどんなものが使われているのか、選んだ理由などを調査しました。使用しているものが石けんか石油由来の合成洗剤か商品名・メーカー・価格をあわせて伺った中で石けんと答えた学校の多くで実際に使われていたのは合成洗剤でした。その商品を選ぶ理由としては、以前から使っている、価格、使い勝手、安全性という順番でした。このような理由であれば、安価で安全、さらに水を汚さない環境にもやさしい石けんに変えていくことは可能ではないでしょうか。ある区立小学校では、PTAで保護者アンケートをし、石けん使用の要望があったことからこれまで使っていた合成洗剤と石けんの2種類が置かれることになったそうです。①子どもの健康を最優先に考え、手洗い剤は石けんにすべきと考えます。区の見解を伺います。

 

区立小中学校へのアンケートの中から、手洗い剤が手に入りにくい時期があったとも聞きました。学校現場で、手洗い剤がないという事態、選べないような状況があってはならないと思います。②区で一括購入をすれば、品質、品物の確保という意味でも価格面でも安心です。区の見解を伺います。

 

また、食器洗いや洗濯洗剤などと違い、手洗い剤の原材料の表示はとてもわかりにくく、選ぶのも困難です。○○せっけんとか、ハンドソープといった名称の合成洗剤もあります。アンケートの結果から先生方も石けんと合成洗剤の違いをご存知ないこともあるとわかりました。これに関して興味がある・研修などあれば参加したいという回答が25校から上がっています。養護の先生方の研究会などへの出張講義があればという要望もありました。養護の先生から他の教職員への情報共有、校長会などでの呼びかけ、オンラインの短時間の学習会、コンパクトな資料の共有など時間をかけずにできる周知方法もあると思います。③先生方への石けんと合成洗剤の違いの周知、子どもの健康にかかわることですので、進めて頂く必要があります。区の見解を伺います。

 

世田谷区では平成4年に環境保全課から「区施設における石けん使用の推進」として、地域振興課、サービス公社へ周知文がでています。以降何年か毎に地区会館や区民センターなどの洗剤の使用状況の調査がされています。その中でも皮膚に悪影響を及ぼすといわれる物質を含むものの使用がありました。区の施設では環境面はもちろん人体への影響も考え石けん使用を徹底すべきと考えます。同様に④児童館での石けんの使用状況はどのようになっているのでしょうか。こちらも子どもたちが利用する施設として、手洗いは必須と思います。世田谷区の施設として石けんの使用を進めていくべきと考えますが区の見解を伺います。

 

 

次に自転車マナーの啓発についてうかがいます。

世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画の素案がだされました。自転車自体の性能もよくなり、電動自転車もふえスタートからスムーズで、坂道なども楽になっています。身近で環境にもやさしい便利な自転車ですが、マナーが守られていないため危険な場面に遭遇することも多々あります。縦横無尽な走行、信号無視や歩行者の脇を猛スピードで走る、一時停止もしない、イヤホンをして周りの音が聞こえていないなど大事故につながりかねない行動も見受けられます。軽車両ですが、運転免許もいらないことから子どもからご高齢の方までが気軽に乗っています。しかし令和元年の世田谷区内の交通事故は1940件、都内ワースト1です。うち自転車の関与している事故件数は808件でこちらも都内ワースト3でした。この数字は、人口の多さ、交通量などの背景もありますが、事故になっていなくても怖い思いをした人、ヒヤリハット体験をしている人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、ここのところ、駐輪場がすいているとかんじることもありますが、一方で新型コロナの影響で、外出自粛による運動不足解消、感染リスクが他の移動手段より少ない、自転車通勤に変えた、在宅ワークで近所にちょっと出ることが多くなった、自転車宅配サービスをはじめたなど、生活様式の変化で自転車の利用頻度は高まっています。これまでに加え、また新たな視点での自転車マナーの呼びかけが必要です。⑤世田谷区内の自転車利用の現状と変化について、また今後の区の対応について伺います。

 

先日、茶沢通りに自転車のナビマークがつきました。ナビマークは、自転車の走る場所や方向などを示すものですが、きちんと区民に伝えられているでしょうか。自転車は車道左側通行が原則、ナビマークのあるところも自転車優先というわけではないこと、また、安全のためやむを得ない場合は歩道を通行できる、歩道を走るときは車道側を走るなど、「これは基本」と思われていることも意外に知られていません。狭いバス通りで車をさけながら安全に走るためにも、自転車の走行ルールやナビマークの周知が求められます。

これまで小中学校では交通安全教室などがありましたが、コロナ禍において今年度の実施状況はいかがでしょうか、交通安全指導、子どもやその保護者への周知、それ以外の方々への情報提供など、どのように啓発を進めているのでしょうか。ナビマークについては、三鷹市のHPにとても分かりやすく説明がのっていました。世田谷区でも、例えば駐輪場やスーパー、自転車販売店と協力し啓発ボードやポスター掲示、話題にしてもらうなど幅広い層に呼びかけることが必要と考えます。区の見解を伺います。

自分本位なマナー違反も多いと感じます。自転車に限らず、車の運転もお互いに相手を思いやり、歩行者優先のゆとりあるまちづくりをすすめていただくよう求めます。

 

以上で壇上からの質問を終わります。