2021年第4回定例会 一般質問
2021年11月30日
金井えり子
まず予防原則に基づく環境対策について伺います。生活者ネットワークは、これまでも一貫して、人体にも環境にも影響が少ない石けんの有用性を訴えてまいりました。石油由来の合成界面活性剤からできている洗浄剤いわゆる合成洗剤は、手荒れの原因となるだけでなく、界面活性剤が水の中に残り水質汚染・環境汚染の原因にもなってしまいます。石けんは、約一日で完全に分解され、二酸化炭素と水になります。手荒れもしません、コロナウイルスにも有効です。
昨年、世田谷区の公共施設の手洗剤について区民と共に調べ、世田谷地域振興課にも情報をいただきました。やはり、手洗い用に合成洗剤の使用が多くみられました。実際に近所のまちづくりセンターや区民施設などに行ってみましたが、石けんを使っているところはありませんでした。石けんを使わない理由は「これまで使っているものだから」「管理会社が買っている」などで特に理由はないようです。環境や健康影響の理解なく安易な使用です。本庁舎のトイレの手洗洗浄剤には、平成26年からリサイクル水石けんが使われていました。本庁舎でこんなに長く使われているということは、他の公共施設でも使えるはずです。①区公共施設の洗浄剤は、石けんを使用すべきです。区の見解を伺います。
次に除草剤、殺虫剤について伺います。人体に影響がでるような除草剤、殺虫剤が市場に出ています。草や虫のみならず、土の中にいる微生物なども殺し、土壌にも影響を及ぼすものもあります。世田谷区では、区施設の除草剤の使用状況を公表していますが、福祉施設などでは、健康影響が問題になっている除草剤がまだ使用されています。以前、生活者ネットワークから使用禁止を求め、区施設では使わないようになったと思っていました。特に福祉施設の利用者には、化学物質などに敏感な方々もおられます。②公表するだけではなく、有害であることを伝え、区施設では使用を禁止すべきです。区の見解を伺います。
先日、砧地域の社協だより第45号に地域貢献型自動販売機の設置を進める記事がありペットボトルの並ぶ写真が掲載されました。「設置にご協力いただくことで地域福祉の推進につながるものです」と書かれています。自動販売機の増設はCO2とプラスチックごみの削減に逆行しています。地域貢献型とはいえ私たちには賛成できません。
2020年第一回定例会の一般質問で、ペットボトルを扱わない自動販売機について提案しました。「ペットボトルを取り扱わない自動販売機の一部導入について他自治体の取り組み事例を参考にしながら、ペットボトルの使用削減に向けて関係所管と協議検討して参りたい」という回答をいただきました。
23区でも、練馬区の本庁舎には、ペットボトルを扱わない自動販売機が設置されていると聞いています。
区の本庁舎にはペットボトルの入った自動販売機があります。そもそも区民は、飲み物を買いに区役所に来ようとは思いません。のどが渇いた時に無料の給水機、給茶機がある方がよっぽど区民サービスといえるのではないでしょうか。海洋汚染、地球温暖化につながるプラスチックごみの問題は、まったなしです。③その後の検討でどのように取り組まれているのか、また、他にペットボトルの削減を進めるための取組みはどうされているのか伺います。
石けん、除草剤・殺虫剤、ペットボトル、このような話をすると必ず、「施設によって」「担当所管が」とか「委託なので」などといわれます。しかし、全て世田谷区の施設でのことです。④管理委託であっても、所管がどこであっても「気候非常事態宣言」をした世田谷区の理念のもとに区が責任をもってリーダーシップを発揮し環境対策を行っていくべきです。それぞれ、仕様書などは異なるということですが、統一した基本的な対策を明記する必要があると考えます。区の見解を伺います。
ゲノム編集食品が市場に出てしまいました。血圧を下げる高GABAトマト、肉厚なマダイに加え10月29日トラフグの予約販売がはじまりました。世界でゲノム編集の魚の流通が可能になっているのは日本だけです。
ゲノムとは、生物形成、維持に必要な最小限の遺伝情報のことです。その特定の場所を操作して性質を変えるのがゲノム編集です。遺伝子を切ったり操作すると思わぬ変異が起こるおそれもあり、「環境が変わった時や世代を超えての影響についてはわからない」「研究室から出してはいけない」と訴えるゲノム編集の開発研究者もいます。マダイ、トラフグの会社では、陸上の施設での養殖で、生態系への影響がでないようにするといいます。ということは、生態系への影響が出る可能性があるのです。これからゲノム編集小麦の開放圃場での栽培実験も始まるそうです。
本当にまだまだ実験段階、未知なもの、子どもたちへの影響を考えると計り知れない不安が募ります。
昭島市では、学校給食用物資購入基準書を「遺伝子組み換えを含む遺伝子操作を行っていないもの」という記述に書き換えました。はっきり安全といえない、まだどんな影響が出るかわからない食べ物を子どもたちに食べさせてはいけません。⑤世田谷区でも予防原則に基づいて遺伝子組み換え食品同様に学校給食に入れないようにすべきと考えます。区の見解を伺います。
障がいのある方の災害時の避難について伺います。
災害時、もちろん在宅避難が出来れば一番ですが、避難しなければならない状況も想定し、避難行動要支援者の方の個別避難計画などが進められています。災害は、いつどこで起こるかわかりません。学校や施設、作業所、仕事場などでは避難訓練が行われていることと思いますが、自宅から避難所への避難も知っておかなければなりません。地域で行われる避難訓練に、障がいのある方や要支援者の参加はあるのでしょうか。避難訓練に参加するにも支援者が必要であったり、遠慮があったり、周りも声をかけるのを躊躇したりということがあるのではないでしょうか。避難訓練をとおして、地域の人がお互いに顔見知りになり声を掛け合えるようになれば安心です。⑥障がいのある方の避難訓練の参加が求められますが、参加しやすい環境を作るなど現状と今後の取組について伺います。
人道憲章と人道支援における最低基準スフィア基準に「支援や防災計画立案の際は、障がい者の能力とニーズを考慮に入れ、意識して、物理的、またはコミュニケーションや周囲の差別的概念などの問題を取り除き、彼らの支援へのアクセスと参加を促進するようにする」とあります。
避難所の備蓄品の中に、その避難所に避難される方に必要な情報やコミュニケーションツール、支援グッズはあるでしょうか。例えば、透明マスク、聴覚障害の方や、慣れない状況で人の顔の表情から様々読み取ることが必要な方もいます。他にも、障がいによって、必要なものがあるかもしれません。⑦地域で、その避難所を利用する方に必要な支援グッズを当事者ご本人と話して準備し、避難所運営の方々にも理解していただくことが必要です。見解を伺います。
国分寺市には災害時等障がい者支援バンダナがあります。ヘルプマークとともに、「目が不自由です」「耳が聞こえません」など緊急時に理解して対応できるようになっています。多くの自治体や、障がい者支援団体などもつくっています。特に国分寺市のものは、一つの角に自分で書き入れられるようになっています。たとえば、「大きな音が苦手です」とか「ゆっくり話してください」片方の耳が不自由な方は「右側から声をかけてください」などその人に合わせて伝えたいことが伝わります。様々な立場の人、それぞれに情報が伝えあえるような工夫が必要です。⑧このような支援グッズ、世田谷区でも当事者の方といっしょに作ることを提案します。区の見解を伺います。