オリンピック・パラリンピックの年となり、他に明るい話題がないからかスポーツ選手の動向がニュースに踊っています。食料自給率3割以下、エネルギー自給率1割の日本、世界平和あっての毎日です。その中で、昨年の米中経済対立が年末に少し緩和したかと思えば、今度は中東の情勢が緊張の度合いを高めています。昨年来、アメリカのトランプ大統領は有志連合によるホルムズ海峡防衛軍への日本の参加を求めてきました。日本は憲法の規定により、その要請には応えられません。年末12月27日、安倍政権はまたしても閣議決定のみで、アラビア海の調査・情報収集活動を目的とした自衛隊260人規模の部隊派遣を決めました。
新年早々、アメリカはイラン軍の指導者を暗殺、イラン軍も報復を叫び出しています。今、日本はこの緊張緩和のために何ができるのでしょうか。少なくともアメリカの顔を立てるための実力部隊の派遣ではないはずだと、私たち生活者ネットワークは考えます。
昨年末、フランシスコ教皇が来日し安倍総理に求めた「誠実な言動」を私たちも政府に求めたいと思います。極東の近隣諸国と真の和解を遂げ、アメリカやロシア、中国と言った巨大国の狭間で翻弄されがちな小国の声を国際社会に反映させる平和外交こそ、日本が、国際社会で名誉ある地位を得るために必要なものです。イランやイラクが、石油大国であり、中東の石油に日本が依存していることは紛れもない事実です。そういったことも超え、日本国憲法前文に「どの国も自国のことのみ考えてはならないのであって」とある精神を活かし、世界が、地球が、第3次世界大戦で滅びてしまわないために、どの国に対しても誠実な外交努力を見せることが、日本の生き残りのためにも必要なのです。
東京でオリンピック・パラリンピックの行われるこの年が、真の平和の年になり、また、何よりもチャレンジドの皆さんがそれぞれ自分らしく輝ける共生社会の一里塚になることを心から願います。安倍政権が、日本のかじ取りを間違う事のないことを求め、緊急アピールとします。
※チャレンジドという言葉について
Challenged(チャレンジド)というのは「障がいを持つ人」を表す新しい米語「the challenged (挑戦という使命や課題、挑戦するチャンスや資格を与えられた人)」を語源とし、障がいをマイナスとのみ捉えるのでなく、障がいを持つゆえに体験する様々な事象を自分自身のため、あるいは社会のためポジティブに生かして行こう、という想いを込め、社会福祉法人プロップ・ステーションが1995年から提唱している呼称です。