第1回定例会 意見 2020.3.2 高岡じゅん子

生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、議案第十二号「世田谷区公文書管理条例」に賛成の立場から意見を述べます。
日本政府においては、森友学園、加計学園、桜を見る会と、相次いで、二〇〇九年に公文書管理法を定めていたにもかかわらず、行政の執行に関する公文書が、十分な管理体制もないまま、公文書として認識されなかったり、隠されたり、廃棄されたりという不可解な現象が続いています。
東京都においても、豊洲市場問題の検証を行おうとしたときに露呈した政策決定過程の文書資料が散逸していたということなどを踏まえ、昨年秋、東京都公文書の管理に関する条例の一部を改正する条例を議決しています。
こういった中、世田谷区が独自の公文書管理条例を制定することは、区民の参加と協働を区政の主な柱とする世田谷区として、意義のあることです。言うまでもなく、情報公開こそは参加と協働を引き出すために欠かせないものであり、本条例にも引用されているように、公文書は、健全な民主主義の根幹を支える市民共有の知的資源だからです。
条例において電子的文書を明確に公文書に含めたことは、今後、電子化が進む事務の実態を踏まえた当然のことです。メールを含めた全ての公文書がこの条例のもとに適正に管理され、区民にわかりやすいフォルダ名がつけられ、公開請求に対応できることが必要です。フォルダの管理においては、区民の求める政策決定過程の検証に耐え得る情報の保管と整理状況の公開を求めます。
国会における政府側の答弁を聞きますと、重要だと思わなかったので、公文書だと思っていなかったので、そもそもつくっていないというような答弁がたびたび行われています。
今回、世田谷区では、この条例の施行に向けた職員向けのガイドラインをつくり、区政の意思決定にかかわるやりとりの記録を公文書として残すことや、公開を想定した保存などについて職員の意思統一を図っています。このガイドラインが現場の隅々にまで行き渡っていくことで、問題のそもそもの発端までが検証できる公文書のアーカイブ構築が可能となります。文書作成と現場での保存に関し、体系的で緩みのない研修の実施を求めます。
この条例においては、公文書の廃棄に当たっては、保存期間一年未満のものを含め、世田谷区公文書管理委員会の意見聴取が必要となります。例えば、今注目を浴びている本庁舎建てかえなどに関する意思決定の経緯など、資料が散逸しないように、この委員会が公文書管理における第三者委員会として十分に機能することを要望します。
今、世田谷区は区史の編さんを行っていると聞いています。第二次世界大戦前後の近代史の一部に、文書が廃棄され、検証が難しい年代があるというふうにも聞いています。このような歴史の負の遺産から学び、条例策定を契機とし、公文書管理のさらなる徹底を求め、生活者ネットワークの賛成意見といたします。