第1回定例会 一般質問と答弁 2020.2.21 金井えり子

金井えり子 議員

 

では、質問を始めます。

 

二月十五日発行の「区のおしらせ せたがや」に世田谷区環境基本計画後期素案についてのパブリックコメント実施結果が掲載されました。プラスチックごみの削減について、世田谷発で思い切った政策を望むという御意見がありました。世界的な問題であるプラスチックごみのことに危機感を抱く区民も多く、世田谷区の動きは注目されています。

先日、会派で、二〇一八年にかまくらプラごみゼロ宣言を行っている鎌倉市に視察に行ってきました。鎌倉市では、レジ袋削減について、行政と市民、事業者やNPOの連携した取り組みが進んでいます。市内の事業者と連携したコミュニティ・マーケット鎌人いち場では、旅するマイバッグと題して、一日二百枚のレジ袋削減がなされました。家庭で使われていない紙袋やマイバッグをストックし、忘れた方へデパーチャー――出発のスタンプを押し、貸し出します。使い終わったら、アライブド――帰ってきましたのスタンプ。お店のロゴが入った紙袋がいろんな人の手によって、さまざまなところへ旅をする、これはお店の宣伝にもなり、市も事業者もお互いにウイン・ウインの関係になります。

二〇二〇年七月に経済産業省の省令でレジ袋有料化が義務づけられます。しかし、この有料化実施ガイドラインには問題があり、まだまだレジ袋削減の入り口についたところです。決算特別委員会で私も質問いたしましたが、その後、区の庁内一体となって進める対策はどのようになりましたか。パブリックコメントの回答にもありました、世田谷プラスチック・スマートプロジェクトの現状を伺います。

今までの取り組みで、レジ袋使用は減ってきているのでしょうか。現在のレジ袋削減に対する状況を伺います。

鎌倉市役所の中の自動販売機は、ペットボトルの飲料を販売していません。また、カップで飲料を売るタイプの販売機にはマイカップボタンがあり、自分のカップを使用すれば十円引きになります。市民がよく利用する一階には無料の給茶機があり、こちらでは、紙コップではなく、湯飲みが用意されています。大阪府豊中市や埼玉県所沢市でも、ペットボトルなしの自動販売機が導入されています。千葉県市川市では、現在、仮本庁舎でペットボトルの販売をなくし、今後、市の全施設――四十施設百台を順次切りかえる予定としています。

まずは発生抑制、区役所の自動販売機からペットボトルをなくすことを提案いたします。区の見解を伺います。

東京都では、東京スマイルボトルプロジェクトとして、オリンピック・パラリンピックに向け、公共の水飲み場をおしゃれに、安全でおいしい水道水、東京の水をアピールしています。安全に水道水が飲める国は百九十六カ国中、世界でたったの十五カ国のみと言われています。高度浄水処理をされた東京の水の味と品質は世界に誇れるものとなっています。マイボトルに詰めて持ち歩けるよう、給水ポイントを設けているということですが、かつて駅などにあった水飲み場は、本当に今、すっかり見かけなくなりました。

反面、熱中症対策、災害時など、給水ポイントの必要性が見直されてきています。現在、区民センターや運動場、図書館、児童館、また、こちらの庁舎内にも水飲みがあります。東京都が水道直結の水飲み場を設置しています。以前、生活者ネットワークから、庁舎内でのマイボトル適用の給水機の提案をいたしました。その後どうなったのか伺います。

そのほかにも、世田谷区内のお休み処などに水道直結のウオーターサーバーをふやし、プラスチックフリーの世田谷を目指す第一歩として、オリンピック・パラリンピックのレガシーとするのはいかがでしょうか、区の見解を伺います。

次に、区民にわかりやすい災害対策について伺います。

気候変動の影響で、想定できない災害が多く起こっています。台風被害も、今後、十五号、十九号以上の被害が出ないとは言い切れない、もっと大規模になってくるかもしれないということは、誰もが感じている不安です。

今回、ハザードマップは、見直しをして全戸配布と聞きました。まず、想定し得る最大規模の降雨があった場合の氾濫、家屋倒壊など、浸水想定区域がきちんと記されているのでしょうか。どのような見直しになるのか伺います。

多摩川のような大きな河川は、流域全体で水防計画を策定するべきと考えますが、国、東京都及び流域の市区町村との検討会議、連絡会議などはできないものでしょうか、区の見解を伺います。

ハザードマップは、洪水・水害用ということですが、地域によって課題が異なってまいります。全戸に同じものをただ配るのでは、なかなか区民の理解が進まないのではないでしょうか。利用されてこそのハザードマップ、区民が知りたいと思い、生活感と合致し、納得できるものであれば、防災・減災行動に活用されると考えます。地区防災計画の中に、被災した区民の意見を十分に酌み取り、水害対策もしっかりと入れて、それぞれの地域の特性に応じた対応を区民にわかりやすく伝えるべきです。ハザードマップについて、情報が正しく理解されるよう、地区ごとの説明会の開催を求めます。区の見解を伺います。

地域に必要な情報が一緒に見ることができる地区の防災マップも必要です。まちづくりセンターや町会などで既に作成しているところもありますが、自分の命を守るためにどうすべきか、わかりやすい地区防災マップを全地域で進めてください、区の見解を伺います。

区民から、広域避難所、一時避難所、風水害と地震、火災など、災害によっても避難するところが変わるということ、また、避難の際に必要なものが違うということ、警戒レベルの表示などがよくわからないという声があります。台風十九号の避難の際、大田区の避難所を利用した方もいました。東京都指定の広域避難場所が杉並区や目黒区の方もいます。隣接した市、区との連携が必要となることも多いと思いますが、世田谷区の広域避難計画はどのようになっていますか。

情報伝達についても伺います。

防災無線は何を言っているのか不明瞭ということはずっと言われていますが、日ごろ、緊急ではないアナウンスが騒音と化していて、必要なときに聞かなくなっているという御意見もありました。先日の台風では、区民の方がせたがやコールに電話をし、的確な情報をいただけて安心したとおっしゃっていました。インターネットなどを使わない方、御高齢の方は、やはり電話が使いやすく、安心できるといいます。

防災無線電話応答の回線をふやすなどの提案がされていますが、そもそも防災無線の電話応答の番号はどこに載っているのでしょうか。区民への周知を求めます。

携帯、スマートフォンなど、インターネットを使わない方や御希望の方に、緊急時に電話でプッシュ型でお知らせするということはできないのでしょうか。

自宅以外の場所で災害が起こったときの外国人、障害のある方への伝達も心配です。鉄道、バス会社の民間の電光掲示板などを活用し、正しい情報が流れるように協定を結ぶことも必要と考えます。区の見解を伺いまして、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

 

環境政策部長

 

私からは、プラスチックフリーの世田谷について、二点の御質問に御答弁いたします。

 

まず、プラスチック削減の取り組みの現状及びレジ袋の削減についてでございます。

区では昨年、世田谷プラスチック・スマートプロジェクトを立ち上げ、町会・自治会、商店街連合会などを通し、脱プラスチックに向けた周知啓発に努めております。本事業では、イベントや会議での使い捨てプラスチック製品の削減など、区としての率先行動を示すとともに、東京二〇二〇大会に向けたクリーンアップ作戦など、区民、事業者の皆さんとの協働によるプラスチックごみの削減等の取り組みを進めております。

レジ袋の削減につきましては、区役所第一庁舎ロビーに区民が持ち寄ったエコバッグを提供するエコバッグツリーを設置し、必要な人に御利用いただくエコバッグシェアを実施し、PRを図っております。また、使い捨てプラスチックの削減などに取り組む小売店等を支援するエコフレンドリーショップ推進事業なども予定しております。

本年七月からレジ袋有料化が開始されることを契機といたしまして、エコバッグシェアに加え、エコバッグ持参運動などにより、レジ袋の削減に努めるとともに、その効果検証を図りながら、環境負荷の少ない循環型社会の実現を目指してまいります。

次に、区役所内の自動販売機からペットボトルをなくすことについてでございます。

現在、区役所本庁舎には飲料用自動販売機が一階ロビーや地下に六台設置され、来庁者などに御利用いただいております。設置に当たりましては、事業者が飲料の種類を選択することとなりますが、全ての自動販売機でペットボトルが取り扱われております。

お話にございましたように、企業や自治体の中には、事業所内の売店や自動販売機でのペットボトル販売を禁止したり、紙コップなどに切りかえたりする動きがあることは承知しております。こうした状況も勘案しつつ、ペットボトルを取り扱わない自動販売機の一部導入について、ペットボトルの使用削減に向けて、関係所管と協議、検討してまいりたいと存じます。

以上でございます。

 

清掃・リサイクル部長

 

私からは、マイボトルで使えるウオーターサーバーの庁舎内への設置について御答弁申し上げます。

 

区では、プラスチック・スマートプロジェクトの中で、プラスチックごみの発生抑制のための区の率先行動として、職員にマイボトルの持参を推奨しております。職員のマイボトルの持参をさらに進めるために、令和二年度に職員や区民がマイボトルに給水できる浄水機能つきの水道直結型給水機を試行として本庁舎に一台設置する予定でございます。

給水機は熱中症対策としても有効と思われることから、今後、試行の結果を見ながら、総合支所など公共施設への給水機の設置について、議員御指摘の水道水を浄水せずにそのまま使うタイプの給水機も含めて、関係所管と調整してまいります。

以上でございます。

 

危機管理室長

 

私からは災害対策について七点御答弁いたします。

 

まず、洪水ハザードマップの見直しと、その区民周知についてでございます。

現在、区で作成しております洪水ハザードマップは、多摩川版と全区版に分けて作成し、一枚の紙にまとめて配布しております。多摩川版の浸水想定区域は、国土交通省京浜河川事務所が作成し、公表したものを掲載しており、全区版の浸水予想区域につきましては、都が作成、公表したものを掲載しております。

全区版では、対象の中小河川流域ごとの河川の氾濫と内水氾濫である下水道等の浸水をあわせて表示しておりますが、水防法の改正を受けまして、今般、東京都が浸水し得る最大規模の降雨によるシミュレーションに基づき、浸水予想区域図を改定したため、来年度、洪水ハザードマップを更新し、全戸配布いたします。

更新に当たりましては、主に住民等の避難に活用されることを目的とし、災害発生前にしっかり勉強する場面、災害時に緊急的に確認する場面を意識し、自身の水害リスクに応じた避難方法など、区民目線で、区民にわかりやすいハザードマップに更新してまいります。あわせまして、町会長会議などの機会を捉えまして、総合支所と連携し、洪水ハザードマップを周知してまいります。

次に、多摩川流域自治体との会議体についてでございます。

多摩川に関する会議体としましては、まず、水防法に基づき、洪水氾濫による被害を軽減するためのハード・ソフト対策を総合的かつ一体的に推進することを目的に、国土交通省が河川管理事務所ごとに大規模氾濫減災協議会を設置しております。世田谷区は、多摩川下流部左岸大規模氾濫減災協議会の構成員として、国が掲げる水防災意識社会再構築ビジョンに基づく減災に係る取り組み方針のもと、区としての取り組みを行ってまいりました。

さらに、昨年の台風第十九号による多摩川流域において大規模な浸水被害が発生したことを踏まえ、協議会の中で多摩川下流部減災対策部会が設置され、多摩川流域における今後の治水対策の取り組みとして、関係機関が連携し、多摩川緊急治水対策プロジェクトが取りまとめられたところでございます。そのほかにも、大田区、川崎市と担当者レベル会議を開催し、多摩川流域市区長懇談会においても、流域全体の情報共有と相互連携を一層図ることとしております。

次に、地区防災計画と地区防災マップについてでございます。

地区防災計画につきましては、区市町村の一定の地区内の居住者等が共同して行う防災訓練、防災活動に必要な物資及び資材の備蓄、災害が発生した場合における相互支援など、地区居住者等による防災活動に関する計画でございます。区では、平成二十九年の地区防災計画の修正に合わせて、防災塾の実施等を通して、全二十七地区で地区防災計画として取りまとめております。

来年度、地域防災計画の修正に合わせまして、地区防災計画も修正いたしますが、昨年の台風第十九号を受けまして、各地区が自分たちの町の水害等へのリスクを把握し、地区の水害に関する課題や対応策について、自分たちで地区防災計画に反映し、取り組んでいただけるよう、総合支所と連携し、支援してまいります。また、地域の防災マップにつきましては、既に独自のマップを作成している地区や町会・自治会もございますが、作成していない地区とも情報を共有できるよう働きかけるとともに、地域の実情に応じた個別の防災マップの作成を、総合支所と連携し、働きかけてまいります。

次に、広域避難計画でございます。

震災時の広域避難場所、また、避難所は、避難者割合を一定とするため、地区割り当て等をしておりますが、地区割り当て以外の広域避難場所、避難所であっても、避難は可能となっております。

区では、近隣自治体との相互協力、応援等の協定として、特別区全体の協定、城南五区の協定、調布市、狛江市、三鷹市と単独の協定を結び、避難住民の受け入れなど、相互に連携を図ることとしております。行政境周辺に居住する区民が他の自治体の避難所に避難した場合におきましても、自治体間で情報を共有し、連携して対応してまいります。

次に、プッシュ型などの情報伝達についてでございます。

昨年の台風第十九号の対応を踏まえまして、区では風水害対策総点検を実施しております。その中で、風雨が強い中での防災行政無線の聞こえづらいことや、携帯電話を持たない区民への情報伝達の検討を課題として挙げております。そのため、情報発信の強化に向けた対応策としましては、まずはこれまでのテレビやエフエム世田谷からの情報取得について、さらなる周知を図ります。特にテレビのデータ放送からは、地域の気象情報や、区が発令しました避難情報、開設しております避難所の情報が取得できることから、高齢者にとってもわかりやすい情報収集手段として周知を図ってまいります。

また、来年度増設します防災無線電話応答サービスの電話番号等につきましても、各種防災啓発物などに掲載し、対応してまいります。さらに、既に導入しております自治体の事例、例えば電話、ファクスによる配信サービス等を検証しまして、導入に向けた検討を行ってまいります。

最後に、バス会社等の民間の電光掲示板の活用についてでございます。

現在、駅前ロータリー、バス停留所、鉄道・バス車両などにおいて、デジタルサイネージを初めとした電光掲示板により、運行情報や事業者サービス案内等の情報コンテンツが提供されており、地域のにぎわいの創出に貢献していると考えております。

外国人や障害者も含め、毎日多数の人間が鉄道、バスを利用している中での二十四時間表示可能な電光掲示板は、視覚だけで確認可能で、さまざまな情報を提供できる媒体であり、災害時においても、避難誘導案内等の情報提供媒体として有効なものと考えております。今後、区内のデジタルサイネージ等を利用したきめ細かな災害情報の提供につきまして、関係所管とも連携し、情報提供手段の研究、検討に努めてまいります。

以上でございます。

 

金井えり子 議員

 

御答弁ありがとうございました。たくさん済みませんでした。

ぜひ区民にわかりやすい災害対策をお願いしたいと思います。本当にわからないということが一番混乱のもとになりまして、防災のマップなども、つくっているところはもちろんあるんですけれども、それを知らない区民がたくさんいるということ、それから、つくっていないところもあるということがありますので、ぜひこれは進めていただきたいと思います。お願いいたします。

それから、レジ袋の削減についてですが、実態を本当に把握していく必要があると感じています。ぜひこちらの実態把握をお願いいたします。

それから、ペットボトルのない販売機なんですが、これを入れている市町村の話を読んだところ、特別クレームは来ていない、不自由は感じていないというふうに書いてありましたので、少しやってみていただけたらと思います。

再質問いたします。

エコバッグツリーについて、とてもいい取り組みだと思うんですけれども、これが区役所内だけで終わるというのは本当にもったいないと思います。もっと広げていただきたいです。区内の事業者や商店街などと連携していくと効果的ではないかと考えますけれども、見解をお願いいたします。

 

環境政策部長

 

エコバッグ運動の拡大実施についての再質問に御答弁をいたします。

 

プラスチックフリーの世田谷を目指すに当たりましては、日常生活や事業活動などの中で、身近なことから取り組んでいくことが重要であると認識しております。一枚のレジ袋を使わないことで、脱プラスチックへの意識啓発につながるものと考えております。

区は、レジ袋をもらうのが当たり前という意識から、エコバッグ持参の行動を促すために、区役所にエコバッグツリーを設置し、エコバッグ運動の一つとして取り組みを進めております。今後、エコバッグ運動の輪をさらに広げ、プラスチックごみを削減していくため、商店街や事業者の御理解、御協力が大変重要です。エコフレンドリーショップ推進事業の取り組みも予定しておりますので、区民、小売店、区が連携して取り組める施策を検討してまいります。

以上でございます。

 

金井えり子議員

 

よろしくお願いいたします。

 

プラスチックの問題は本当に大変なことになっているけれども、なかなか身の回りのもので、プラスチックを全部やめるということは、本当に今の生活からは不可能と言ってもいいくらいのところに来ています。本当に自戒を含めまして、プラスチックの削減――レジ袋一枚からでいいと思います。頑張っていきたいと思います。区でも取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。