議会の様子は↓こちらからご覧いただけます。
https://setagaya-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=8194
予算特別委員会「都市整備領域」 生活者ネットワーク関口江利子
1.居住支援について
1-1.生活者ネットワークの都市整備領域の質問を行います。最初に、住まいについて困りごとを抱えたあらゆる人への居住支援についてです。昨年から当会派のおの議員が、現存の居住支援の枠から外れてしまう若者への住まいの保障について求めてまいりました。わたしのもとにも、住宅確保要配慮者ではない住まいに不安を抱える人たちからの相談があります。例えば親からのDVを受けている高校生は、保護措置は受けずに耐えることを選び、学校を卒業後の自立を望んでいました。また、自分が動けるうちにひきこもりの子どもの自立を促したい8050問題を抱える親などの住まいの維持も深刻です。その後の居住支援の検討状況について伺います。
(答弁)
1.区では、高齢者・障害者等の住宅確保要配慮者に対して、区営住宅のほか、民間賃貸住宅のお部屋探しを支援する「お部屋探しサポート」などの居住支援を推進しております。
2.委員お話のように、住まいも含めた区民ニーズが複雑かつ多様化する中、これまで区が支援してきた住宅確保要配慮者に属さない方への居住支援の必要性も十分認識しております。
3.こうした中、今般の生活困窮者自立支援法の改正があったことを踏まえ、経済的な問題と合わせて、生活上の様々な困りごとを抱えた方の相談窓口である「ぷらっとホーム世田谷」の利用者について、令和7年度より新たに「お部屋探しサポート」での支援対象に加えるべく、現在関係所管と調整を進めているところです。
「ぷらっとホーム世田谷」の相談者が「お部屋探しサポート」で居住支援も受けられるようになるとのことでした。どちらも世田谷区の独自事業ですから、事例も共有しながら福祉部門と住宅部門の密な連携を期待します。
1-2.また、今は「お部屋探しサポート」事業は、世田谷トラストまちづくりが一手に請け負っています。他の居住支援法人とも積極的に連携をすることで支援の可能性が広がると思いますが、見解を伺います。
(答弁)
1.区では、高齢者・障害者等の住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅の円滑な入居の促進を図るため、平成29年に居住支援協議会を設立し、現在、不動産関係団体や庁内の福祉所管部とともに、6つの居住支援法人に参画いただいております。
2.この協議会において、協議会とその補佐組織の幹事会に続き、昨年度から新たに部会を立ち上げ、会員相互のより緊密な連携を図るべく、協議・検討を進めているところです。
3.こうした取組を通じて、支援者側の顔の見える関係を築くなど、支援を必要とする方の課題解決に繋がる効果的な居住支援体制の整備を進めてまいります。
居住支援協議会のもと立ち上がった部会で、制度の狭間に落ちてしまう人も掬い上げる支援について具体的な議論が進むよう、今後も動向を見ていきたいと思います。
2.上用賀公園拡張事業について
2-1.次の質問です。昨年11月、上用賀公園拡張事業の基本計画が策定されました。地域の方からさまざまなご意見を伺っている中から、2点質問します。はじめに、フットサル、キャッチボールなど、多目的の使用を想定している「多目的広場」の舗装(床材)から流出されるマイクロプラスチックの懸念についてです。
海洋に流出するごみの約8割は陸由来と言われています。道路は、水はけを良くするために排水設備が備えられており、道路上の落下物が流出しやすい構造になっているためです。
本年3月に読売新聞・6月に中日新聞で、「人工芝から発生するマイクロプラスチックの問題と、屋内用の紙製人工芝の開発・導入事例」が取り上げられました。両紙とも「一般社団法人ピリカ」が2020年度に実施した実態調査を紹介していました。それによると、国内149地点の河川や港湾(こうわん)、湖を調べて採取したマイクロプラスチックの質量比では、人工芝由来が最も大きく、約25%、1/4を占めるとしています。その量は年間22トンにもなります。
多目的広場について区からは、雨が降った後、1日でも早く使用再開できるように人工芝を導入すると説明を受けています。しかし、例えば、学校グラウンドに使用している舗装は水捌けが非常に良く、雨が降った次の日でも運動会が実施できています。人工芝と同様に水はけを良くしスポーツ施設への導入実績もある床材として、再生可能なマテリアルリサイクル商品で、焼却してもダイオキシン等の有害物質の含有率が低い物質として認定済みの床材もあります。
こういった代替え品の可能性がある中で、なぜ基本計画の段階で「環境に配慮した床材」ではなく「人工芝」とわざわざ明記されたのか、経緯をお聞きします。
(答弁)
1.上用賀公園拡張事業基本計画を策定する際、多目的広場のコートサーフェスについては、クレー舗装、天然芝、人工芝等といった設えについて、整備費用、維持管理費用、環境への影響等のメリット、デメリットを整理し、総合的に検討した結果、人工芝の導入を基本計画に明記しました。
2.今後も引き続き、事業者募集にあたっては、メーカーの環境配慮型製品の開発状況を踏まえ、要求水準書の作成を進めてまいります。
2021年に日本スポーツ施設協会が作成した「人工芝グラウンドにおけるマイクロプラスチック流出抑制に関するガイドライン」は、環境省の資料にも使われています。それによると、雨が降った際の排水設備でのマイクロプラスチックの捕捉、飛散防止のネット設置、利用者に付着したちぎれたパイル片がコート外へ持ち出されないようにする設備、日常的なブラッシングやパイル片の除去作業、年に1〜2回専門業者によるパイル片の除去作業など、人工芝を導入した場合の維持管理には相当なコストと手間がかかるのではないかと感じました。
そこで改めて、人工芝以外の床材の採用について見解を伺います。
(答弁)
1.上用賀公園拡張事業の多目的広場については、サッカー・フットサル、キャッチボールやボール遊びなどの多目的での使用を想定しております。
2.委員のおっしゃるとおり、再生可能なマテリアルリサイクル商品については、今後研究し、引き続き最も良い床材を導入できるように検討してまいります。
2029年に一部開設、2031年に全体開設と、まだ先の長い公園計画です。世界中がマイクロプラスチック対策を課題としている中、新しい技術が生まれる可能性は大きいと思います。人工芝にこだわらず、より環境負荷の少ない床材で施工ができるよう要望します。
2-2.24時間開放実施について
次に、公園の24時間開放に関して、防犯面から多くの不安の声が寄せられています。既存の上用賀公園が夜間施錠しているため、なおさら疑問の声が上がっているのです。小さな子どもがいる子育て家庭や高齢者世帯など、説明会に足を運ぶことができず一連の経過を把握できていない区民も多くいます。開設までに近隣住民への理解をより一層強力に進めるよう求めますが見解を伺います。
(答弁)
1.上用賀公園拡張計画地におきましては、「安全・安心の公園づくり」を整備の基本方針の一つとしており、公園は常にだれもが自由に利用できること、また、災害時の避難場所や避難経路としてオープンスペースを確保するためにも常時開放の方針です。
2.今後、常時開放によって近隣に迷惑がかかることがないように、夜間の巡回警備や防犯灯の照明配置など、安全対策を講じてまいります。
3.また、公園内には体育館を計画しているため、日中は警備員が常駐できる場も設けられるよう想定しており、災害時等にも、直ぐに駆けつけられるような体制を検討しております。
4.夜間開放に対して不安に思う方が多くいらっしゃる中、事前に説明を十分に尽くし、皆様に区の考えをご理解いただけるよう努めてまいります。
5.また、公園運用開始後もしっかりと近隣住民の方々や利用者の声に耳を傾け、誰もが安全に安心して利用できる皆様から愛される公園づくりを行ってまいります。
先ほども述べました通り、既存の上用賀公園は夜間施錠しています。拡張する公園についても、エリアを限定した24時間運用にするなど様々な可能性を探り、地域住民に受け入れられ、愛される公園にしていただくよう要望します。
3.世田谷公園での「せたがや未来の平和館」の名称露出について
3-1.次に、区民生活での質問に引き続き、愛称「せたがや未来の平和館」の表記について2点伺います。まず、世田谷公園に設置してある公園案内図の名称標記の統一を求めます。
(答弁)
1.世田谷公園の案内サインにつきましては、2箇所の公園出入口と、園内の自由広場、ジョギングコースの起点付近に、計4箇所設置してあります。
2.これら案内サインにつきまして、老朽化が見られる1つは、盤面の張り替えを行い、残る3つはシールの貼り付けにより「せたがや未来の平和館(世田谷区立平和資料館)」との修正に合わせて、3つのモニュメントにつきましても標記してまいります。
3.また、公園内に新たな「せたがや未来の平和館」への誘導サインを設置したいとのお話を担当所管課より伺っておりますので、公園管理者としても設置に協力してまいりたいと考えております。
5.世田谷公園を訪れる一人でも多くの方が、平和への願いを持ち続けられるように、引き続き、関係所管とも連携しながら公園運営に取り組んでまいります。
3-2.世田谷公園のホームページを開きますと、トップページに園内紹介として「野球場」「テニスコート」「プレーパーク」など園内の施設が一覧化されていますが、ここに「せたがや未来の平和館」がありません。これは、世田谷公園は「せたがや未来の平和館」の担当所管ではないからという縦割りの弊害によるものなのですが、そんなことは区民に関係ありません。区民にわかりやすい掲載方法を求めます。
(答弁)
1.現在、世田谷公園のホームページでは、世田谷区立平和資料館と掲示していると共に、園内紹介の目次部分に見出しがない状況となっております。
2.今後につきましては、「せたがや未来の平和館(世田谷区立平和資料館」と記載内容を変更すると共に、世田谷公園内にある施設として、より分かりやすく情報にアクセスできるよう、園内紹介の目次部分に見出しを作成してまいります。
よろしくお願いします。
4.安全な歩行者道路について
1.最後に、歩行者・自転車に安全な道路についてです。タブレットの資料をご覧ください。桜新町駅周辺の道路の上空写真です。道路の両側、写真では上下ですが、白線で囲われた自動車パーキングスペースが設けられていることがおわかりでしょうか。区内では、このほか三軒茶屋駅周辺と世田谷公園周辺、計3か所にこのような道路上の駐車スペースが設けられているのですが、桜新町駅前だけが道路の両側に、それもかなり詰まった状態で設置されています。2枚目の写真をご覧ください。ちょっとこの写真だと広角レンズのせいで道幅の狭さが伝わりにくいのですが、ちょうど左側にチャイルドシート付きの自転車が走っています。ただの狭い道路ではなく、駐車車両を避けながら自転車が走行していくので、非常に危険です。
どうしてこのような状態になっているのか、また管理はどのようにされているのか伺います。
(答弁)
1.お話の区道上の有料自動車パーキングにつきましては、警視庁に確認したところ、昭和63年度ごろに違法駐車対策として警視庁が設置・管理しており、駐車枠の位置は警視庁、道路管理者、近隣関係者などで検討し、設置がされたものです。直近では、令和2年4月1日に警視庁から区への道路占用申請の更新がなされ、当該物件は、道路法上の占用物件として認められることから、許可をしております。なお、利用料の徴収につきましては、区では関与しておらず、警視庁で行なっております。
2.昭和63年というと1988年、36年も前です。いわゆる「路駐」対策として整備したとのことでした。その後、2015年3月に「世田谷区自転車ネットワーク計画」が策定され、自転車の車道走行が徹底されるようになりました。
当該道路にも自転車走行のナビマークが整備されたわけですが、相変わらず歩道を走る自転車が危ない・怖いという声がある一方で、車道を走る自転車が危険との声も聞かれます。駅周辺から世田谷区立中央図書館への道は都道、国道246号線へ抜ける道は区道だと聞いています。特に歩行者・自転車・自動車が多い桜新町駅周辺は都道な訳ですが、区として都とも連携した安全な自転車利用に取り組むべきと考えます。見解を伺います。
(答弁)
1.自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、原則、車道の左側端に寄って通行しなければなりませんが、例外として、歩道に「自転車通行可」の道路標識等があるとき、道路工事等で車道の左側を通行することが困難であるときなどには、歩道を通行することができるとされております。
2.当該歩道は「自転車通行可」となっており、自転車は歩道を通行することができますが、歩道を通行する場合は、車道寄りを徐行して進行しなければならないなど、歩行者優先とされております。
3.区はこれまでにも、歩道での交通ルールを含め自転車の安全利用に関し、交通管理者や関係所管等と連携して様々な交通安全教室や講習の実施、区のおしらせや区ホームページへの掲載等を行っております。今後も都道においては都の道路管理者と情報の共有を図るなど、自転車の安全利用に取り組んでまいります。
そもそもこの場所に自転車通行空間を整備しようとなった時に、路上パーキングスペースとの共存について協議されなかったことが不思議です。今後、道路占有申請のタイミング等を見計らって、駅の出入口周辺だけでも、路上パーキングの見直しについて警視庁と東京都へ申し入れをおこない、歩行者も自転車も安全に楽しく通行できるウォーカブルなまちづくりについて協議することを要望します。以上で質問を終わります。