第1回定例会 意見 2026.03.27 関口江利子

関口江利子 議員 生活者ネットワーク世田谷区議団は、議員提出議案第二号「介護保険制度の持続可能性の確保を求める意見書」について、賛成の立場から意見を申し述べます。

 先日、区立小学校の卒業式で校長先生が、今年度の卒業児童は日本中が混乱したコロナウイルス感染が広まった年に入学した子どもたちですと式辞を述べられました。入学式が二か月遅れ、分散登校、マスク、大きな声で笑い合うこともできない制限のある中でも、学校生活を楽しんでくれていたとのことでした。

 六年前の自身を思い返せば、訪問介護の職員として、初めての感染症に訳も分からず向き合っていました。ふだんの訪問に加えて、通所施設の休業で在宅する高齢者が増えたことに伴い、ケアの時間も増えました。頭からつま先まで使い捨ての防護服、ゴーグル、フェースシールド等を提供され、コロナ患者またはリスクの高いケアには特別手当が支給されました。そんな中での突然の休校、子どもを一人で自宅に置き続けることができず、やむなく仕事を減らし、常勤職員が代わって対応をしてくれました。コロナ禍であっても高齢者の日常は続きます。私たち介護従事者にケアを止める選択肢はありませんでした。

 世田谷区内の訪問介護従事者は、コロナ禍以降、常勤職員は増えている一方で、非常勤職員は千名近い減少、全体として、二〇二五年現在、約八百人のヘルパーがいなくなっています。常勤職員が増えている要因として、処遇改善加算の要件となっていることが考えられ、安定したケアが提供できる点はよいのですが、結果として、利用者負担の増加につながっています。また、業務の効率化が進む中で、経営面から効率の悪いケアの担い手が減っていくことへの懸念、例えば介護予防・日常生活支援総合事業を受託する事業者が年々確実に減少していることも見過ごせません。

 高齢期に少しでも自分らしく最期を迎え、家族の介護負担を軽減させるために最後のとりでとなるのが福祉職です。少子・高齢化が進む中で、介護保険制度は、介護従事者の処遇改善、そして利用者負担の増加、この二つの課題を抱えています。三年に一度改定が行われる介護保険制度の議論は、昨年末、社会保障審議会によって基本的方向性が示されました。長年議論されてきた利用者負担の増加については、ここでも先送りとなり、二〇二六年中に結論づけることになっています。この議論の場に、市民に最も近いところで声を聞いている私たち地方議会から、このタイミングで意見を届けることには大きな意義があると考えます。

 介護従事者の処遇改善の財源を利用者負担に頼る現在の制度設計の見直しは、慎重かつ必須で行うべきであり、特に低所得者世帯が介護サービスの利用を控えることのないようにしなければなりません。

 生活者ネットワーク世田谷区議団は、介護サービスの提供における報酬改善、利用に係る自己負担について、基本報酬、所定単位数を上げることで対応すべきと考えます。将来的には、公費負担の割合を増やし、国民全体で持続可能な介護サービスを担っていくことを求めて、賛成意見といたします。