第2回定例会 一般質問と答弁 2026.06.12 関口江利子

関口江利子 議員 通告に従い、質問を始めます。

 まず、世田谷らしい住環境を守るための緑の保全について二点伺います。

 先日、等々力渓谷の再整備後に開催されたシンポジウムに参加してきました。渓谷の斜面地の状態と改善方法について大変分かりやすく報告がされ、人が適切に手を入れながら、自然と人が共存する在り方について学びを得ることができました。その中でも、土の中の目に見えない事象、土中環境に目を向けることの大切さについては、今後の区の施策に生かせることが多いと感じました。

 例えば雨水を地面に浸透させることは、河川の水量、水質を安定的に確保し、都市型水害の防止に資するだけでなく、地下水を維持し、そこから生まれる豊かな湧水は緑や生き物を育む等、健全な水の循環に貢献します。当区では、広場や歩道の舗装は透水性の仕様となっており、グリーンインフラの進展が感じられます。また、未整備の都市計画道路のうち、区が管理する道路予定地についても透水性舗装がされていることも評価します。

 一方、東京都が管理する道路予定地では、降った雨は一部を除き全て下水管へ流れていきます。道路整備計画上の一時的な措置とはいえ、整備完了までには期間を要することもあり、都管理の道路予定地においても雨水が地面に染み込むよう工夫することが望ましいと考えます。都などの事業者に働きかけられないか、区の見解を伺います。

 当区の南の地域、国分寺崖線から多摩川までの区域一帯は多摩川風致地区に指定されており、自然的景観を維持するため、宅地の造成や樹木の伐採等には、東京都風致地区条例で許可申請が定められています。それにもかかわらず、民間地において、トチノキ、榎、桜、シュロの木、計二十五本の伐採が確認されました。約三百平方メートルにわたり木が一本もない状態になっていますが、申請がなく、区は把握できませんでした。

 また、現地は国分寺崖線の斜面地であり、一部の大きな切り株からひこばえが出ていたので、地下部の根はまだ生きていると思われますが、それ以外の切り株の周辺では、表土が乾燥し、土の流出も見受けられました。樹木は、雨水の貯留浸透機能により土砂崩れの緩和になるとされています。樹木の伐採等に係る条例遵守の徹底と、やむを得ない伐採の後にも、新しく木を植える補植の指導を行うなど、体制を強化するよう求めます。区の見解を伺います。

 次に、誰もが安心して住み続けられる地域共生社会の実現について四点伺います。

 当区には、地域デイサービスや支えあいミニデイなど地域住民が主体となって運営する高齢者の居場所が数多くあります。先日、私が参加してきた支えあいミニデイは、社会福祉協議会の地域支えあい活動拠点が会場で、おしゃべりが大好きな七十代から九十代の明るい女性たちの集まりでした。運営者が調理した昼食を食べ、歌や体操などを楽しみ、顔の見える関係を築いていました。看護学校の学生の研修にも活用されており、多世代交流の場にもなっていました。

 一方、別のミニデイは、調理設備のない地区会館が会場で、管理者が常駐していないため飲食禁止となっており、水分補給とアメをなめる程度で会食はできません。また、けやきネットでの会場予約は定期的な開催が担保できず大変だということでした。

 二〇二四年度から区民集会施設の多機能化の推進が検討され、多様な利用を試行していることは承知しています。この議論の中で、調理設備があるにもかかわらず使用禁止になっている施設の開放、管理者のいない施設での飲食禁止の緩和など、使いやすさが向上すれば、住民主体の地域活動が活性化すると考えます。区の見解を伺います。

 MCI、軽度認知障害や発達障害、精神疾患、境界知能の方は、困り感を抱えているにもかかわらず、日常生活に大きな支障を感じにくいため、支援につながらない傾向にあります。困り事の一つに、適切な医療受診、服薬ができていないことが挙げられます。

 第三期データヘルス計画の優先課題になっている健康意識の向上に資する重複受診等訪問指導事業では、複数の医療機関をはしごして受診し、同じような薬を何種類も過剰に処方されている人に対して、専門職が電話と訪問をして、日常生活や服薬の指導を行っています。

 しかし、二〇二一年度は、対象者百八十二名のうち訪問に至った人はたったの三名にとどまり、改善が見られたのもこの三名のみです。面談ができれば改善が見込まれるにもかかわらず、希望者にしか訪問していないことが成果の少なさに表れています。また、訪問を望まない人の中には、さきに述べた発達障害等の可能性もあり、つながることで早期支援の道筋にもなります。希望者だけではなく、全ての対象者を訪問することが望ましいと考えますが、区の見解を伺います。

 また、この事業においては、第三期データヘルス計画の中間年である本年度、評価、見直しを行い、実効性を上げていくことを求めます。区の見解を伺います。

 このように、適切な医療にかかるためには、当事者視点での地域行政サービスが欠かせません。

 次に、大人が接種したワクチン履歴を記録に残すことの必要性について伺います。MCI、軽度認知障害や発達障害等の人にとって、自身のワクチン接種の記録管理についても困難性があると考えます。昨年十月、横須賀市では、成人用ワクチン手帳を作成し、医療機関、保健所等で配布を始めました。中央区、豊島区、国立市などでは、国立機関が作成した成人用予防接種記録手帳のリンクをホームページに掲載し、活用を推奨しています。ほかにも、帯状疱疹、肺炎球菌の接種案内と一緒に、お薬手帳に挟むタイプのワクチン接種記録票を同封している自治体もあります。

 区内医療機関からも、任意・定期接種の記録がどこの医療機関でも確認でき、利用者本人やその家族もいつ何の接種をしたか把握しやすいワクチン手帳を医療機関、区民へ周知してほしいとの声も届いています。医療DXの推進は重要ですが、現状マイナポータルとマイナ保険証の連動ができていないなど移行期間であることから、紙の手帳を使って管理することが効果的な区民もいると考えます。区の見解を伺います。

 最後に、高齢者や障害者宅の玄関先まで訪問してごみを収集する高齢者等訪問収集事業についてです。転倒リスク等、ごみ出しに困難さを抱える高齢者や障害者が安全に自立した暮らしを送るために必要不可欠な地域行政サービスです。二十三区全てで取り組まれており、共通の対象要件は、自分でごみを集積所に出すことができない、身近な人の協力が得られないとなっており、その他の具体は区ごとに定めています。

 当区の場合、六十五歳以上かつ要介護二または二程度の人と障害者が対象となっており、二十三区の中で最も厳しいと言っても言い過ぎではありません。まず、年齢と要介護度の両方を要件にしている自治体はほかにありません。介護保険制度の対象は四十歳からですが、六十五歳を下回っていると利用することはできないということになっています。また、要介護二または二程度と限定している自治体も当区だけで、要介護度が上がったり、最初の介護認定で要介護三となると、もう使うことができません。そのため、介護度が二から三に上がっても、区に報告しない人が多いのが実態です。

 朝のごみ出しのためだけにヘルパーを利用することは難しく、ケアマネジャーのシャドーワーク、無報酬の見えない労働となるなど深刻です。ごみの収集支援は、高齢者や障害者の在宅生活における自立とQOL、生活の質に大きく関わるため、収集停止や拒否があってはならないと考えます。高齢者等訪問収集の対象範囲の見直しを強く求めます。見解を伺います。

 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

◎みどり33推進担当部長 私からは、緑の保全に関しまして、事業者への透水性舗装の働きかけにつきまして御答弁申し上げます。

 公園や道路の植栽や樹林地、透水性の舗装などは、雨水の地中への浸透を促し、植栽基盤の健全化、地下水や湧水の保全など緑の保全に資するほか、大雨の際の河川の負担軽減にも大きく寄与するものと認識しております。御例示の道路予定地の件をはじめ、個々の施設や用地ごとに条件は様々でありますが、可能な限り雨水の浸透が期待できる整備形態としていくことが望ましいと考えております。

 区といたしましては、今後関係部署との連携の下、機会を捉えまして、東京都をはじめとする事業者に対し、透水性舗装の使用等を働きかけてまいります。

 以上でございます。

◎玉川総合支所長 私からは、二点答弁を申し上げます。

 一点目は、風致地区の樹木伐採における届出の徹底と相談強化についてでございます。風致地区は自然的景観の維持を目的とし、原則として、樹木伐採には一定の緑地率確保が許可要件となり、事前に申請が必要です。現在、風致地区チラシや区ホームページで樹木の伐採に当たり必要な申請等をまとめ、制度周知を行っております。

 周知の実効性を高めるため、関係所管と連携して、樹木伐採に特化したポスターやチラシの作成、ホームページの充実を図ります。これにより地区内の樹木伐採の制限や必要な申請の周知を強化し、事前相談、申請につなげ、基準遵守を徹底してまいります。また、制度の趣旨を御理解いただき、移植への転換や、やむを得ず伐採する場合の補植について、関連する補助制度を紹介するなどして自然的景観の維持につながるよう働きかけ、緑豊かな住環境の保全に取り組んでまいります。

 続きまして、区民集会施設について、調理施設があるにもかかわらず使用禁止になっている施設の開放、無人管理館での飲食禁止の緩和は、地域活動を活性化させると考えるとの御質問に答弁申し上げます。

 地域活動の活性化に向けては、新たな行政経営への移行実現プランに基づき、活動の拠点となり得る区民集会施設をより多機能化させ、様々な目的で利用しやすい施設となるよう検討しているところでございます。区民集会施設における調理や会食を伴う活動は、主に高齢者の地域活動での利用が想定される一方で、食べかすや食後のごみの残置など、施設管理上の課題があるため、現在は原則として有人管理施設に限定しております。

 引き続き、区民集会施設が地域活動の活性化に寄与できるよう、区民利用施設の運営について、運営の在り方やルールの見直しを含め五支所横断的に検討を始めており、コミュニティーの活性化に資する施設の役割を充実させていきたいと考えております。

 以上でございます。

◎保健福祉政策部長 私からは、重複受診者等訪問事業について二点御答弁いたします。

 まず、対象者への対応についてです。

 現行の重複受診者等訪問指導事業は、国民健康保険のレセプトデータに基づき対象者を抽出し、同意を得た方に医療専門職が訪問や面談を行うものであり、全戸訪問の実施については事業目的やプライバシー配慮の観点から慎重な検討が必要であると認識しております。

 このため、本区では、まず電話などで丁寧な説明の上、連絡がつかない場合にも複数回接触を試みるなど、粘り強く働きかけをしております。また、訪問や面談の過程で、障害や認知機能の低下などが疑われる場合には、あんしんすこやかセンターや総合支所などと連携し、必要な支援につなげております。

 今後も対象者の状況に応じ、文書による再勧奨や医療費通知を活用した周知など、一人でも多くの御利用につなげるため強化を検討してまいります。

 次に、世田谷区国民健康保険第三期データヘルス計画への反映についてです。

 重複受診等訪問指導事業については、実施状況や成果、課題を踏まえ、効果的な実施方法を検討していくことが重要と考えております。本事業では、減薬など一定の改善効果が確認されている一方、初回の働きかけのみでは参加につながりにくいケースがあることが課題であり、対象者への働きかけの強化や相談、訪問機会の充実、関係機関との連携の在り方について検討を進める必要があると認識しております。

 世田谷区国民健康保険第三期データヘルス計画の中間評価においては、これらの検討状況や実績を踏まえ、事業の位置づけや方向性を整理し、必要な見直しを行ってまいります。

 私からは以上です。

◎世田谷保健所長 私からは、大人のワクチン手帳の導入についての区の見解をお答え申し上げます。

 区は、成人の予防接種事業を健診事業とともに、個々の健康状態を踏まえた診療や健康管理と、かかりつけ医推進とを一体的に進めることを重視しています。特に基礎疾患を持つ高齢者に対しては、接種時期に合わせて案内や予診票を個別に送付し、かかりつけ医と相談の上で選択、実施できるよう配慮してきました。さらに、予防接種証明書の発行やマイナポータルによる接種記録の表示機能など、主治医、かかりつけ医が接種履歴を共有できる環境を整備しています。

 一方、紙の手帳は、医療機関における記入の手間が生じるなど運用が煩雑で周知や取組の定着に課題があります。区は、標準化システムの導入に伴って、円滑な接種環境を整備するとともに、手帳の導入については研究してまいります。

 私からは以上です。

◎清掃事業再編担当参事 私からは、高齢者等訪問収集について御答弁いたします。

 高齢者等訪問収集は、集積所にごみを出すことが難しい高齢者の方などを対象に、自宅の玄関先にごみを出していただき収集する事業で、在宅生活の継続への支援において重要な役割を担っているものと認識しております。対象範囲については介護保険制度における要介護二に認定されているか同等の状態と認められることを一つの要件としておりますが、要介護二と同等の状態とする適応基準が不明瞭であるなど、在宅生活の支援という視点から、さらに精査すべき点もあると認識してございます。

 制度利用のための手順、手続などを含めて福祉部門とも相談し、現状を確認しながら、改めて制度全体を広く点検し、運用の改善につなげてまいります。

 以上でございます。

◆関口江利子 議員 ありがとうございました。高齢者等訪問収集については、福祉所管と情報共有、意見交換を十分に行っていただき、清掃事業が担う福祉的役割を果たしていただくよう要望いたします。

 以上で終わります。