おのみずき 議員 生活者ネットワーク世田谷区議団を代表して、令和八年度世田谷区一般会計予算外三件全てに賛成の立場から大きく五点、意見と要望を申し述べます。
初めに、全庁的なジェンダー主流化の推進についてです。
来年度予算は、次世代を育む暮らし応援予算と銘打たれました。しかし、これをジェンダー予算の視点で検証すると、そこに含まれる政策や事業には見えない偏りがあることが、各領域の質疑を通じて明らかとなりました。
青少年交流センターや区立公園等にジェンダーの視点を導入し、女の子や多様な属性を持つ人が居心地よく過ごせる空間づくりを進めること、また、ファミリー・サポート・センター事業や資源回収活動など、従来女性が主に担ってきた分野に男性も積極的に参画できるよう後押しし、ケア労働や家庭内役割分担の固定化を打破する契機とすることを求めます。
住宅政策等、昨今の重要な区政課題において、ジェンダー統計が整備、活用されず、男女賃金格差や高い非正規雇用率、DV等の暴力被害などがある中、セーフティーネットとしての婚姻関係にはまらない人が不利な立場に置かれる実態など、ジェンダーの構造的課題に盲目的に政策決定がなされることを深く憂慮します。来年度策定予定の次期男女共同参画プランで世田谷版ジェンダー主流化を掲げるなら、これを単なる理念に終わらせず、計画策定段階から各部署を巻き込み、積極的な意識づけと理解促進を図ることを強く要望します。
第二に、誰もが尊厳を持って生きるための福祉・介護基盤の充実についてです。
四月の高次脳機能障害者支援法施行を踏まえ、高次脳機能障害者に対するライフステージや領域を超えた支援強化は急務です。当事者の九割が現役世代の年齢で障害を負いながら、その半数以上が受傷後の社会復帰を果たせていない実態を重く受け止め、当事者が抱える戸惑いや葛藤に寄り添う新法の趣旨にのっとった長期の伴走支援体制の構築を求めます。また、学校現場における実態把握や教職員の理解促進に向けた研修の実施を併せて求めます。
超高齢社会において深刻さを増す介護人材の不足については、訪問介護の登録ヘルパーが六年で約千人も減少しているという危機的な状況にあります。単なる事務の効率化にとどまらず、スポットワークの活用や体験入職の助成など、新たな人材を現場へ呼び込む攻めの経営支援を加速させるべきです。
介護の社会化を後退させず、ダブルケアやヤングケアラーといった複合的な課題を抱える世帯を多機関連携で包括的に支えきる。本予算がそのための強固な福祉基盤となるよう、実効性のある執行を要望します。
第三に、気候変動の適用と循環型社会への責任についてです。
温室効果ガスの排出削減による気候変動の抑制を目指す緩和策のみならず、既に顕在化している気候変動影響への適応策を加速させる必要があります。年々激甚化する猛暑によるせたがやそだちの収穫量減少を食い止めるため、生産者の努力に委ねるだけでなく、適応技術の普及や高温耐性品種への転換促進など、農家の生計維持にも寄与する、より踏み込んだ支援を求めます。
学校改築で導入される校庭舗装材は、ダスト舗装が基本であることを再確認しました。人工芝はマイクロプラスチック等の流出による環境と子どもの健康へのリスクが指摘されています。このたび導入が予定されている松沢中学校については、定期更新の必要性を踏まえ、環境負荷低減の視点での素材選定と適正管理の徹底を強く要望します。
第四に、災害時の命と尊厳を守るトイレ対策についてです。
これまでの震災の教訓を踏まえ、生活の根幹であるトイレとジェンダーを含む多様性、交差性の視点をこれからの防災の核に据えるべきです。発災後百五十トン超えの排出が予測されるし尿ごみに対し、収集運搬のタイムラインを明確にした実効性ある計画を策定してください。また、約七割の区内世帯が共同住宅に居住する実態を踏まえ、マンション内のマンホールトイレの把握や上物への助成を強化し、在宅避難の質を担保することを求めます。
災害時を見据え、平時から多様な人の利用を想定したトイレの整備が重要です。公園トイレの便器数に大変大きな男女格差がある現状は、従来の面積の平等だけでなく、待ち時間の平等という視点での改善が急務です。今後、公共施設のトイレ設計では、これまで見落とされてきた視点を積極的に組み込み、ジェンダー公正、包摂的なトイレの整備を求めます。
最後に、あらゆる人の人権が守られる地域づくりについてです。
今回、非常勤職員を含む教職員へのいじめの実態について初めて問題提起をしました。実態把握と相談体制の整備に関して、今後の動向を追います。また、千歳烏山駅南側の再開発事業について提出された二百十六通もの意見書を、地域住民の生の声として重く受け止めも区としても真摯に向き合うことを強く求めます。
以上の具体的な要求事項が次年度予算の執行に確実に反映されることを求め、生活者ネットワーク世田谷区議団の賛成意見といたします。
