「都市農業の明日を語る会」を開催しました

市民に身近な「農」を見直す

9月3日(土)午後、世田谷・生活者ネットワーク食部会主催で「都市農業の明日を語る会」が開催されました。
メインゲストは、参議院議員の大河原まさこさん。世田谷区議の高岡じゅん子がコーディネーターを務め西崎都議照屋区議とともに参加しました。
今回の企画は、国の農地制度や都市計画の制度が、都市農業を守ることをどう考えているのか?参議院の農林水産委員会での最新情報をぜひ聞きたいと言うことで、食部会として企画しました。

まず、15時に鎌田自然農菜園に集合。鎌田自然農菜園は、食部会のメンバーの井山さんが主宰、相続後10年以上も荒れ地にしていた土地を、自然農で市民参加型の農園にしようと活動している菜園です。
台風が近づき、風が強くなり、大河原さんのお話と「せたがやそだち」の試食は農園の隣の鎌田区民センターの室内に移動となりました。ネコジャラシの茂る下に、サツマイモが植わっていたり、虫がたくさんついていても、丈夫にしっかり枝豆が花を付けていたりするのを見学しながら菜園から移動。ちなみに、この農園の枝豆の収穫は10月下旬、じっくり育った枝豆は格別の味とのことです。

メインゲスト大河原まさこさんのお話しでは、以下のような新しい「都市的農業」への取り組みが始まりつつあるとのことでした。
・東京23区内の農地や農家は、長年、国による農業保護の体系から外れてきた。しかし農業の売り上げの3分の1を占める都市部での農業経営、特に消費者のニーズに敏感で先進的な取り組み(ハーブ作りや体験農園など)が、注目されるようになっている
・国土交通省が管轄する都市計画法の枠の中で、不要とされてきた市街化区域内の農地が、あって当たり前の必然性のある土地利用の形態として認められた。
・農林水産省でも、市街化区域内の農地などを都市的農業として位置づけ、都市農業政策を立案するための検討会設置が始まる。
・新たな都市づくりの思想として、「エココンパクトシティー」という持続可能な生活圏を作ることを視野に入れた考え方が、提唱されている。

 「せたがやそだち」を食べながらの交流会では、世田谷の都市農業を守るため、「区民として何かしたい!どうしたらよいか?」との前向きな発言が次々と出ました。区民農園は、いつも抽選になるほどです。区民の身近な農への関心が高まっている今、市民と農業を一層近づける政策が必要とされていることが、実感された会でした。     高岡 潤子