「若年労働者の現状と課題〜過労死・メンタルクライシス・ワーキングプア〜」

ネットサロン報告

若者の支援をしている、若者のNPO法人、POSSEの川村遼平さんをお招きしてお話いただきました。

若年労働者の現状は、長時間労働やパワハラなどでメンタル面で問題を抱える人が多いことが実際の相談からも見えてくるそうです。
長時間労働で体を壊し、仕事ができなくなるような状況になって退職を余儀なくされても、法的な手段で会社を訴えることが難しい現状や、体調を壊してもなお正社員として働くことを止めると次の仕事がないのではないかという強迫観念にかられてやめられない人など、本人から訴えにくい場合は母親からの相談などもあるようです。

2006年から2009年にかけて行った若者に向けたアンケートでは、フリーターを言われる人でも1日8時間労働をしている人が多い現実や、残業代をもらっている人が4割しかいないこと、職場に問題があると思ってもそれを是正できるとは思っていない人が多いこともわかりました。

そこで、POSSEでは、『知ろう!使おう!労働法』という冊子を発行して、多くの若い人々に労働法を知ってもらう努力をしています。

大事なのは個別企業の合理性が社会の非合理だということ。退職金を払わないとかボーナス前にやめさせるとか、それは企業には合理的だが、労働者には不利益になり、社会的なマイナスにもなることを問題にしたいと思うという話に納得しました。

参加者からの切実な声もあり、今の社会ではいつでも失業者になるぎりぎりの場所で働いている若者の多さをあらためて痛感します。
(報告:OY)