子どもの人権擁護機関「せたがやホッと」視察

子どもの人権擁護機関「せたがやホッと」を視察しました。2013年7月からスタートしたこの事業は、子どもの人権を擁護し、権利を侵害された子どもの速やかな救済を図る機関です。

26年度の新規相談件数は219回、のべ相談件数は979回です。子ども本人からの相談が6割をしめることからも、この機関が子どもの為の機関として定着してきているといえそうです。相談内容は対人関係といじめで約半数を占めています。対人関係の悩みがいじめに移行しないよう、嫌な思いを受け止め気軽に相談できる「せたがやホッと」の役割は大変重要です。このサポートに関わる世田谷区子どもの人権擁護委員より、教育委員会をバックアップしたいという思いから意見書が出されました。

1)通常学級に配置される特別支援教育に関する人的支援の抜本的増員を図ること。

2)特別支援教育の推進に関わる人的支援制度の体制を整備し、すべての学校が利用しやすくすること。

3)子ども本人や保護者、教職員など特別支援教育の推進に関わる方々が、「子どもの最善の利益の実現」の観点からパートナーシップを組み、教育的支援に取り組めるよう仕組みを整備すること。

ひとりひとりの教育的ニーズに対応するためには、人的にも制度的にもまだまだ課題が多いです。驚いた事には、学校によってはサポートが入ることは指導力がないと思われるといった背景もあるようです。また教育委員会を中心としたシステムができていないことから、地域のボランティア派遣なども含めた特別支援教育コーディネーターなどの仕組みを早急につくり、評価していくことが求められます。これからも子どもにとって最善の方法を一緒に考え、子どもの権利条約にあるような社会の実現をめざして体制をづくりに取り組んでいきたいです。

追伸:「せたホッと」のマスコットキャラクターなっちゅは、田中みち子の娘の友人が産みの親です。広報誌の4コマ漫画もにも登場し、ひとりでがんばらないで!!と、すてきなメッセージを発してくれています。7月で2歳になったなっちゅは「おはなしきかせてね」といつでもみんなの相談をまっています。

月~金:午後1時~午後8時

土曜日:午前10時~午後6時(日曜祝日年末年始をのぞく)

フリーダイアル0120−810−293(ホッとにきゅうさい)