第3回定例会 一般質問と答弁 2019.9.19 金井えり子

通告のとおり、順次質問してまいります。

 

まず、幼児教育・保育の無償化の問題について質問いたします。

 

十月から幼児教育・保育の無償化が始まります。全ての三歳児から五歳児と住民税非課税世帯のゼロ歳児から二歳児が対象となっています。しかし、実際には全ての三歳児から五歳児の幼児教育・保育が平等に無料になるのではなく、通う施設によって上限額も異なっています。また、申請が必要で、保育の必要性などを問われる場合もあります。

 

認可幼稚園、認可保育園、認可外保育施設、幼稚園類似施設、ほかさまざまな幼児教育・保育の形がある中で、その枠から外れてしまう子どもが出ています。

 

国は基準を満たしていない認可外保育施設も五年間は無償化の対象とするとしました。だとすると、無償化になる施設が必ずしも保育の安全性が担保されているとは限らないということになります。反面、地域のニーズから生まれ、独自の方法でしっかりとした幼児教育を行ってきた実績のある幼稚園に準ずる団体でも、無償化の対象施設に位置づけられていない場合には、その施設に通う全ての家庭の子は無償化の対象外になってしまいます。これでは三歳から五歳児全員無償化にはなりません。そして、これは幼児教育・保育の質にもかかわる重要な問題です。

 

国は、各自治体において検討と言っていますが、この制度に対して、区長の見解を伺います。

 

共同通信が県庁所在地など全国百三自治体に行った調査では、独自財源で何らかの経済的支援を実施または検討している自治体が六十二市区、約六割に上ったことがわかりました。

 

埼玉県志木市で幼稚園類似施設、宗教法人ミッション系シャローム幼稚園の例があります。この施設は、資格のない子育て経験者が先生となっているため、幼稚園としての枠から外れています。しかし、ハンディのある子どもの受け入れやその独自の方針と、園長先生から何度も出された要望書、五千八百八十四筆に上る署名により、市独自の補助金として月謝代二万四千円が出ることになりました。ほか神奈川県藤沢市では、幼稚園に準ずる幼児教育施設十二施設に対して自治体が独自に支援策を打ち出しています。

 

世田谷区にも、配慮を必要とする子どもを受け入れたり、地域をつなぐ役割を担ってきた実績のある幼児教育のグループが幾つもあります。こういったグループが既成の枠の中ではできない子どもの育ちに必要なことを個々に対応してきました。多様な幼児教育・保育の形があり、それを選んで子育てできるのが世田谷区ではないでしょうか。

 

区が今進めている子育てしやすい町、一人一人の多様な個性、能力を伸ばし、社会をたくましく生き抜く力を学校、家庭、地域が連携して育むこの教育ビジョンにもつながるものではないでしょうか。

 

全ての子どもたちの最善の利益を保障するためには、区として独自の支援策が必要と考えますが、区の見解を伺います。

 

続いて、特別支援教室の推進について伺います。

 

平成二十八年度全小学校、今年度から中学校二十八校に特別支援教室がすまいるルームという名称で設置されました。すまいるルームは、拠点校から巡回指導教員を各学校の特別支援教室へ派遣するという形になっています。

 

今まで通級指導学級に通っていた子どもたちは、通常学級から同じ学校内のすまいるルームに行くので、負担も少なくなりました。通常学級での学習におおむね参加できるものの、特別な指導も必要とする子どもたちがすまいるルームを利用しています。

 

このような特別な指導を行うためには、手厚い人員と教員の専門性が必要と考えますが、すまいるルームの現状や今後の方針について伺います。

 

また、すまいるルームを利用する子どもたちは、学校生活の多くの時間を通常学級で過ごし、担任の先生の指導を受けています。通常学級においてもすまいるルーム同様にその子に合った指導が大切です。

 

本来は、指導教員が巡回ではなく、その学校に在籍し、通常学級の指導にもかかわることが必要と考えますが、すまいるルームの巡回指導教員と通常学級の担任とで子どもの成長や指導方法の確認は行われているのでしょうか。通常学級とすまいるルームの教員間の連携について伺います。

 

次に、教科補充学習について伺います。

 

学習に不安を抱えている子どもたちが置いてきぼりにならないように、すまいるルームを利用していない子どもたちも含め、どの子にも必要なときに必要な支援が行き届くことが重要です。配慮を必要とする子どもたちが低学年で学習につまずくと、その後積み上げていくことができなくなります。それがきっかけで自分に自信が持てなくなり、学校が嫌いになったりすることもあります。

 

そこで、教科の補充に区の非常勤講師が配置されていますが、学校の規模にかかわらず、どの学校も一律の配置となっています。各校で取り出しや個別指導、小集団授業など、さまざまな工夫でやりくりをしていると聞いていますが、各校の実情に応じて、人数や時間を考えた教科補充指導のための非常勤講師の配置など、柔軟な方法はとれないのかを伺います。

 

そして、香害について伺います。

 

香りの害、香害は、柔軟剤や消臭・除菌剤の人工的な香りに含まれる化学物質により、目まいや吐き気、頭痛などの症状を誘発するもので、化学物質過敏症の原因の一つとされます。

 

昨年の七月と八月に、NPO法人日本消費者連盟が二日間限定で行った電話相談、香害一一〇番では、二百十三件もの相談がありました。全国の消費生活センターに寄せられる柔軟仕上げ剤等のにおいに関する相談も年々増加しています。

 

生活者ネットワークは、この問題をいち早く議会で取り上げ、昨年、保健所が作成したチラシを活用して、広く区民に周知するよう求めました。その結果、配布する部数に限りはありましたが、イベント会場での配布、学校掲示等の活用がされました。

 

本年七月には、石けんや洗剤などの生産者団体である日本石鹸洗剤工業会が、衣料用柔軟仕上げ剤の品質表示自主基準を改定し、柔軟仕上げ剤の容器などに香りに関する注意喚起として、周囲への配慮と適正使用量を守る旨を表示することとしました。しかし、表示はとても小さく、また香料の成分の表示の義務もないため、何が使われているのか明記されていません。社会の理解もまだまだ進んでおらず、本人も気づかないうちに化学物質の影響を受けていることも多くあります。

 

今後、区においても香害で苦しむ人がいることを周知徹底し、香料自粛に向けた啓発を進めていくために、これまでにも増してチラシを活用していくよう求めます。

 

また、学校へは継続して配るべきと思いますが、区の見解を伺います。

 

先日、区民の方から、化学物質過敏症の子どもが香りのために教室にいられないこともあると伺いました。症状が出ると学校に行くことができなくなり、不登校になる子どももいます。成長期にある子どもへの影響を防ぐことは重要です。

 

この声を受け、区では、学校で子どもたちにもわかりやすく香害について知らせていくために、子ども向けチラシを作成中と聞いています。どのようなチラシを作成しているのか、進捗状況を伺います。

 

最後に、香害の啓発として、昨年度学校現場では、区作成のチラシをどのように活用したのか、また今後、今作成中の子ども向けチラシをどのように活用していくのか、教育委員会の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)

区長

金井議員にお答えをします。

 

三歳から五歳の子どもたちへの保育・幼児教育の無償化、この制度から外れてしまう子どもたちに対して区としての施策はという御質問でした。

 

国は子育てや教育の負担軽減を図るということが重要な少子化対策の一つであり、質の高い幼児教育の機会を保障することが重要として、幼児教育の無償化の制度を急ピッチで構築をしてきました。

 

区においても、国や都の制度等を踏まえ、準備を現在進めているところでありますが、基準を満たさない認可外保育施設が多数あること、また、保育所の食材料費の取り扱いを初め、本来であれば、国は制度設計段階でもっと議論を尽くし、国の責任と財源をもって十月実施に備えるべきではなかったかと考えております。

 

とりわけ、今御指摘の問題について、国の制度設計の時点においては、幼稚園、保育所、認定こども園といった、いわばその制度下にあるところを対象として考えてきたわけで、地域で今御指摘があるような幼児教育の一端を長年支えてきた幼児教育類似施設等について、その存在は視野に入っていなかったと、こういうふうに文部科学省自身も認めております。

 

昨年十二月の無償化方針の確定後、まさに国会において自民党の現在文部科学大臣になられた萩生田議員が安倍総理にこの点を質問していて、この存在がつまり枠の外にあるではないかということに対して、安倍晋三首相は支援の検討をしますというふうに答えております。

 

私どもは、その支援の検討なるものがいかように進むのかということで注目をし、問い合わせをしておりますが、ことしに入って実態調査をしたものの、現在の時点においては支援の方針は決まっていないという状況であります。

 

幼稚園と類似の機能を有する幼児教育の施設について、国の責任において早急に支援策を取りまとめるべきだと考えておりまして、区としても、積極的に国に働きかけていきたいと考えております。

 

教育政策部長

私からは、四点御答弁させていただきます。

 

まず、特別支援教室の現状と今後の方針についてでございます。

 

今年度の特別支援教室の現状といたしましては、小学校で千百九名、新たに導入いたしました中学校で二百三十一名が利用しており、拠点校に配置している巡回指導教員が各学校において必要な指導を行っております。

 

また、特別支援教室における専門性や指導力の向上のため、巡回指導教員や非常勤職員として各校に配置されている特別支援教室専門員、各校を巡回して指導助言を行う臨床発達心理士などが情報を共有し、連携を強化することで、児童生徒が抱える困難さにきめ細やかに対応できる指導体制を構築しているところです。

 

全体として特別支援教室の利用者は増加傾向にありますが、巡回指導教員の増員や配置の見直しなどを行うとともに、指導に携わる巡回指導教員などの連携を密にすることにより、適切な指導が行われるよう引き続き取り組んでまいります。

 

続きまして、通常学級と特別支援教室の教員間の連携について御答弁申し上げます。

各校の特別支援教室には特別支援教室専門員が配置されており、学校内及び巡回指導教員と学級担任との連絡調整を行い、特別支援教室の円滑な運営に必要な業務を行っております。

この特別支援教室専門員が児童生徒が特別支援教室で指導を受ける時間割と在籍学級の時間割等の調整、児童生徒の行動観察や指導記録の作成、報告、巡回指導教員からの特別支援教室における指導の様子や在籍学級での配慮事項等を学級担任に伝えるなど、どちらの学級においても困難を抱えた児童生徒一人一人に合ったきめ細かい指導が行われるよう必要な連絡調整を行っております。

 

続いて、配慮を必要とする子どもへの学習支援について御答弁申し上げます。

 

各学校には特別支援教室は利用していないものの、学習支援や配慮を必要とする児童生徒がそれぞれ在籍しております。こうした状況を踏まえ、全校に教科の補充指導のための非常勤講師を配置し、授業の一部がわからない、繰り返し学習する必要があるなど、児童生徒一人一人の課題に応じた個別指導を行っており、学習意欲や自己肯定感の向上につながっていると聞いております。

 

一方、各学校における学習支援や配慮を必要とする児童生徒の人数は増加傾向にあり、教育委員会においては、教員免許を有する非常勤講師や学校包括支援要員の配置などを通じて支援体制の充実に取り組んでいるところです。

 

今後も各校の状況に応じた支援体制を構築し、学習支援や配慮を必要とする児童生徒の学校生活がより豊かなものとなるよう取り組んでまいります。

 

最後に、香害の学校における取り組みについて御答弁申し上げます。

 

教育委員会におきましては、昨年度、世田谷保健所より提供を受けました香害に関するチラシを全区立幼稚園及び小中学校に配布し、授業等で活用するとともに、園内、校内に掲示させていただいたところです。このチラシは、教員や子どもたちへの普及啓発につながっただけではなく、子どもたちが自宅に持ち帰ることで保護者の方への普及啓発にもつながったのではないかと考えております。

 

今年度についても授業等でのチラシの活用や掲示を行っておりますが、現在、世田谷保健所において作成している子ども向けのリーフレットにより、子どもたちへの普及啓発効果はより高まるものと期待しております。

 

今後も児童生徒、保護者、教員に対し、子どもの健康や安全に関する情報提供を積極的に行い、子どもの健康、安全安心を守る取り組みを進めてまいります。

 

以上でございます。

 

世田谷保健所長

私からは、いわゆる香害について二点、まず保健所が作成したチラシをさらに活用し、学校にも継続して配付すべきという御質問にお答えいたします。

 

近年は香りブームと言われ、洗剤や柔軟仕上げ剤など人工香料を含む商品が多く流通していますが、体質によっては日用品に含まれる微量の化学物質で目や喉の痛み、頭痛などを起こす人がいます。

 

区では、シックハウス症候群や化学物質過敏症等の対策に向けた情報発信や普及啓発など、健康的で安全安心な暮らし方の実現に向けた環境づくりに取り組んでおります。

 

また、家の中の化学物質を見直すことをテーマとしたチラシを作成し、平成三十年度からは区政PRコーナーの展示に加え、健康に関するイベント、介護施設や高齢者福祉施設、区立小学校等へも配付しており、これら周知啓発を今後も継続してまいります。

 

加えて、本年度からは飲食店等を対象とする食品衛生講演会の参加者全員に配付するとともに、動物フェスティバルなど多くの区民が参加するイベント等での配布をするなど、さらに広く周知を図ってまいります。

 

次に、現在作成中の子ども向けパンフレットについてお答えいたします。

 

芳香剤や柔軟仕上げ剤など日用品に含まれる化学物質の人体への影響は個人によりまちまちで、反応も一人一人違い、ある人が快適なにおいと感じても、別の人は不快に感じてしまうこともあります。また、化学物質の影響は大人より成長期の子どものほうが大きく、子どもたちへもこうしたことを知らせていくことが大切です。

 

現在、教育委員会と連携を図り、日用品に含まれる化学物質の人体への影響等を小学生にもわかりやすく解説した小学校五、六年生を対象とするリーフレットの作成に向け協議を進めているところです。

 

以上です。

 

金井えり子 議員

答弁いただきましてありがとうございます。最近、東京都の消費生活部のホームページにも香害について注意喚起の情報が出されました。やっと東京都も動き出しました。世田谷区も積極的に区民に周知することを要望します。

それから、区長の見解、ありがとうございました。幼児教育・保育の無償化、本当に今後どうなっていくのかとても心配です。幼児教育・保育の質、本当に質のよいもの、子どもの育ちに必要なものがきちんと残っていくように見定めて、支援策を講じていただけるように要望しまして、質問を終わります。