第2回定例会 一般質問と答弁 2021.6.15 金井えり子

金井えり子 議員 では、質問を始めます。

初めに、手指消毒の正しい使用方法の啓発について伺います。

コロナ禍で消毒はもちろん必要ですが、消毒液による皮膚トラブルやアレルギー反応などの事例が増えています。肌への刺激が強く、頻繁に使用すると手荒れを起こしやすくなるそうです。また、多くの手指消毒剤に含まれるエタノールは、角膜の細胞を破壊すると言われます。まちでよく見かけるタイプのスタンドタイプ消毒液、大人の手を差し出すのに大変よい高さですが、子どもの顔の高さ、特に目の位置です。大人が消毒しているときに子どもにかかる、子どもが消毒しようとして目に入るなど、とても心配です。

フランス毒物対策センターの二〇二〇年四月から八月までの調査では、手指消毒剤の有害化学物質が子どもの目に入った症例は、前年同月と比べ七倍となっています。日本でも、公益法人日本中毒情報センターの調査で、消毒剤、除菌剤が目に入ったという相談件数が、二〇二〇年は前年の六・六倍でした。小さな子どもたちが、携帯用のスプレータイプの消毒剤などおもちゃのようにまいていることもあります。シュッと吹きかけて安心するということに慣れ過ぎているのではないかと大変懸念しています。

消毒は重要ではありますが、誤った使い方をすれば危険であるということ、もろ刃の剣であるとも言われます。コロナ禍の今だからこそ、啓発していく必要があります。区の見解を伺います。

次に、今後のコロナワクチン対策の分かりやすい情報提供について、順次伺ってまいります。

新型コロナワクチンの接種が進んでいます。職域接種も始まりました。接種券がなくても接種できるということですが、接種券の番号で国のVRSシステムとつながっていると聞いています。情報の共有、これからどうなるのでしょうか。

そして、若者の感染も今広がっています。世田谷区内での接種予約、予定どおりの順番でよいとは思いますが、今後、年齢枠なども広がる大規模接種会場などで若い方々の接種ができるよう、接種券の配布を急ぐ必要があります。作業などの許す限り、できれば前倒しで配布できればと思います。接種券のあるなしの不公平感、分かりにくさ、何よりも区民が混乱を招くことがないようにすることが求められます。

かかりつけ医でワクチン接種ができる個別接種ですが、お医者さんからは、予約作業など通常業務に支障なくできるのか、インフルエンザ予防接種と同じようにできるのか、不安と疑問の声を伺いました。予約に関しては、区の予約システムとワクチンをセットで区が担ってほしいという御意見があります。昨日から、一部で区の予約システムを使った予約が始まりました。その状況を、そしてその経過を心配されているお医者さん方にお知らせいただければと思います。

また、いつも診ている患者さんのみ受け付けるといったお医者さんもいらっしゃるそうです。それぞれのニーズに合うように区でサポートし、個別接種を進める。また、最新のワクチン接種に関する情報も、ホームページを見てくださいのみでなく、広く区民に届けてほしいと考えます。区の見解を伺います。

対象年齢が十二歳からというふうに下がりました。ワクチンは異物を体に入れるものであり、特にコロナワクチンについては、まだまだ事例も少なくとても心配です。低年齢への接種拡大は、きちんとした情報の下に、本人や保護者らが選べるということが何より大切です。学校などでの集団接種となると、注射をしない子どもに対して差別やいじめなども懸念されます。まだ接種券の配布予定にもありませんが、慎重に検討していただけるよう求めます。

低年齢の子の接種だけでなく、ワクチン接種後の副反応について不安の声が多くあります。幸い世田谷区では今のところ重大な副反応の事例はないとのことですが、様々な報道やSNS、口コミなどでいろいろな情報が流れています。何を信じたらよいのか、判断が難しくなります。接種後すぐに出る副反応については会場で対応、それ以降、副反応の相談は東京都新型コロナワクチン副反応相談センターが対応すると伺いましたが、これは区も把握しておくべきだと考えます。副反応の情報について、世田谷区から正確な情報発信をしていく必要があります。区の見解を伺います。

このようにしてワクチン接種が進んでおりますが、ワクチンは、発症予防、重症化予防には有効だが、感染予防としては実証されていないと言われます。また、様々な理由でワクチンを打てない、打たない人もいます。今、小規模多機能型施設や訪問介護事業所などの現場では、職員が世田谷区民であれば今の状況でワクチンを打つことができますが、区外から通ってくる職員だと、その方のお住まいの自治体の対応になります。同じ職場の中で、ワクチン接種ができるタイミングが違ってきています。このことから、現場では仕事上の影響が大変懸念されています。

世田谷区の社会的検査は、これまでも福祉の現場で不安を和らげる一助となってきました。ワクチンの接種、未接種にかかわらず、エッセンシャルワーカーが安心して働けるため、検査体制の維持は必須と考えます。区の見解を伺います。

そして、今とにかく心配なのが地域の医療体制です。新たに広がる変異株は感染しやすく、若者も重症化すると報道されています。熱中症なども増える季節、そして、ワクチン接種にも手を取られます。病気はコロナだけではありません。このような状況の中、オリンピック・パラリンピックの開催が強行されようとしています。それに伴う感染拡大、重症化の増加、医療の逼迫が懸念されます。区が守るべきは、区民の安全、地域医療体制の確保がとても重要です。

これはオリンピック・パラリンピックの関わるところでありますので、スポーツ推進部、そして保健福祉政策部、双方の答弁を求めます。

まちづくりセンターのインターネットによる予約申込みサポートは、利用した方から、区の職員が優しく、対応が丁寧でよかった、手際よく予約してくれたなど、とてもよかったという声がありました。一方で、まちづくりセンターって何という方も多くいました。「区のおしらせ」は、ホームページを見てくださいと言われますが、インターネットなどを使わない方でも、まちづくりセンターへ行けばホームページも見ることができます。もちろん職員の方から説明もしてもらえる、ちょっとしたことも相談できるということが、なかなか区民には知られていません。これを機に、まちづくりセンターが区民のよりどころとなるよう、さらに周知を進めるべきです。

そのためには、積極的なPRが必要と考えます。予約サポートのお知らせを、世田谷区安全安心パトロール車のアナウンスで知った方もいらっしゃいました。外に向けた発信、例えば商店街やスーパー、駅前などで、まちづくりセンターの場所や、こんなことができるなど、またアンケートをするのも有効かもしれません。様々区民にお知らせをすることが必要です。まちづくりセンターの区民周知をどのように進めていくのか、区の見解を伺います。

最後に、災害時の給水について伺います。

区民から、災害時給水ステーションに、震災時にこの場所で水道水をお配りしますと書いてあるが、東京都の水道局に問い合わせたら回答にはとても時間がかかったということで、いざというとき本当に大丈夫なのかという心配の声が多く聞かれました。地域防災計画には書かれているようですが、水道局、世田谷区、そして区民の役割分担について明確にし、区民にも知らせることが必要ではないでしょうか、区の見解を伺います。

世田谷区では、コロナ禍や避難所の収容人数の予想などから、在宅避難を勧めています。避難所にいると得られる給水車や水道復旧などの情報も、在宅になるとどのように伝えられるのでしょう。もちろん、ローリングストックとして、水もある程度の備蓄の呼びかけはありますが、長期間になった場合の備えとして地域の給水について、区民一人一人が知っておくことが必要です。地域の防災マップに、災害対策用井戸が載っているところもありますが、この井戸も電動でくみ上げるものなど本当に多様になっています。また、飲料としてではなく、生活用水としての利用ということも周知が必要かと思います。災害対策を自分事として考え、備えられるよう、区民周知を図ることが求められます。区の見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。

 

経済産業部長 私からは、アルコール消毒について御答弁いたします。

新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の一つとして、手指のアルコール消毒は有効な方法で、区としても広く推奨しているところです。除菌や消毒に関する商品については、その成分や使用方法等を確認することなどの啓発をしております。アルコール消毒液を使う機会が増える中、公益財団法人日本中毒情報センターでは、消毒液が子どもの目に入るなどの実例を挙げ、誤った使用方法による危険性の啓発を行っております。区といたしましても、今後の啓発等を検討してまいります。

私からは以上です。

 

住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチン接種について二点御答弁申し上げます。

初めに、医療機関での円滑な体制についてです。

現在区では、個別接種の実施に向けて医療機関のニーズを把握するため、個別接種計画書の提出をお願いしております。接種の予約については、診療所に直接予約をすることで通常の診療に負荷がかかることから、一般患者の予約を受け付けるためには、区の予約システムを利用することも可能であり、区の集団接種会場と同様、インターネット及び区のコールセンターで予約受付をすることができます。

ワクチンの配送については、区と契約した運送業者が設置するコールセンターに必要数を注文し、ワクチン数の管理を区が行い、予約数に合わせたワクチンを配送する予定です。個別接種の実施に当たっては、医療機関のニーズを的確に把握し、医師会をはじめとした関係機関と連携しながら円滑な運営に努めるとともに、区民に分かりやすい情報提供を行ってまいります。

次に、副反応についての情報提供です。

接種が進むにつれて、体験談も含めた副反応に関する情報が数多くメディアやインターネットを通じて発信される中、区が副反応について正確な情報を発信し、区民の不安や懸念を払拭することは重要だと認識しております。

区では、厚生労働省が提供する情報を基に、区のホームページや、「区のおしらせ」で副反応についての周知を行うとともに、区のコールセンターでも副反応に関する一般的な問合せにお答えしています。また、集団接種会場では、接種後の経過観察時に副反応の症状などを説明したチラシを配布しており、その中で、接種後、体に異常があるときに二十四時間相談可能な東京都の副反応相談センターの連絡先を御案内しています。引き続き、様々な広報媒体を通じて、副反応についての正しい情報発信に取り組んでまいります。

以上です。

 

保健福祉政策部次長 私からは、PCR検査体制の維持について答弁いたします。

高齢者等の重症化や施設内でのクラスター化を防ぐためには、感染者の早期発見が重要であり、無症状でも他者に感染させるリスクがあることからも、無症状者を対象としたPCR検査、社会的検査を実施していくことが有効な手段であると認識しております。

昨年十月より開始した社会的検査ですが、感染状況等に応じて対象の拡大や実施サイクルの短縮などその運用を改善し、今月十三日時点において、定期検査、随時検査、スクリーニング検査を合わせて延べ千八百施設以上、検査は延べ二万八千人以上の方が受検し、さらに今年度は、東京都が実施するスクリーニング検査の活用も進んでおります。積極的に御活用いただけるよう定期的に事業所や施設に対し検査の案内を勧奨するとともに、区のホームページなどを活用し、検査の実施内容や実績を随時掲載するなど、分かりやすい情報提供に取り組んでまいります。

今後の検査体制につきましては、現在進んでいるワクチン接種の状況や、区内の感染状況、変異株への対応、国や都の動向にも注視しながら、状況に応じたPCR検査体制を構築してまいります。

以上でございます。

 

スポーツ推進部長 私からは、オリンピック・パラリンピックと地域医療につきまして御答弁申し上げます。

東京二〇二〇大会は、組織委員会や、国、東京都が開催を前提とし、準備を進めております。区内の大蔵運動場をアメリカ選手団がキャンプとして利用いたしますが、選手団は、感染症にかかわらず組織委員会が準備する医療機関を利用する予定と聞いております。区民のコロナに対する不安を払拭するためにも、区として、アメリカ選手団の受け入れや、東京二〇二〇大会関連事業を実施するに当たり、引き続き、区民への丁寧な説明、情報発信に注力しつつ、感染対策に全力を挙げ、地域医療への影響がないよう努めてまいります。

以上でございます。

 

保健福祉政策部長 私からは、オリンピック時の地域医療体制の確保について御答弁いたします。

東京二〇二〇大会では、選手団や、訪日メディア関係者等は、組織委員会が準備する医療機関を利用し、感染時の入院や宿泊療養も組織委員会や東京都が調整するなど、地域への影響がないよう調整しているとの情報を得ております。東京二〇二〇大会の医療体制の詳細につきましては、いまだ不明な点もございますが、区内の医療体制への影響につきまして、引き続き情報収集をしてまいりたいと考えております。

以上でございます。

 

地域行政部長 私からは、まちづくりセンターのさらなる活用、情報発信やPRについて御答弁申し上げます。

まちづくりセンターにおけるコロナワクチン接種予約支援では、これまで延べ一万三千人の方の予約支援を行いましたが、まちづくりセンターはどこにあるのかというお問合せもいただいております。まちづくりセンターでは、最も身近な行政拠点として、まちづくり、防災活動の支援や、チラシやリーフレット等による紹介、福祉の相談窓口の設置やお困り事の相談、証明書の取次ぎ発行業務などを担っております。また、夏の間は、熱中症予防のお休み処としたり、地区によっては、区民が自由に休憩できるスペースを設け、そこに地域の活動の写真やチラシを掲示するなど、気軽にお寄りいただける工夫も行っております。

今後は、SNSの活用など多様な手法によるまちづくりセンターからの情報発信の充実や、DXの推進を見据えた相談、手続を拡充することなど、様々な工夫により、まちづくりセンターの浸透を図ってまいります。

以上でございます。

 

危機管理部長 私からは、災害時の給水における都と区などの役割及び給水場所などの区民周知について御答弁申し上げます。

災害時における被災者への給水活動につきましては、地域防災計画において、都水道局は給水拠点や応急給水栓、応急給水用資機材などのハード面の整備を行うとともに、区は給水拠点での給水活動を実施し、その実施につきましては、防災区民組織やボランティアの協力を得た上で行うものと役割分担されております。また、コロナ禍におきまして、区は在宅避難を推奨しており、在宅避難のための給水需要が高まると想定されます。

このことを念頭に、災害時に滞りなく給水活動を行えるよう役割分担を明確にした上で、都と区、防災区民組織等が連携して訓練に取り組んでおります。

区は、引き続き都や防災区民組織等と連携して訓練を重ねるなど、災害時の給水活動の実効性をより高めていくとともに、各家庭における災害時の備蓄の普及啓発と合わせ、区ホームページや啓発チラシなど、様々な媒体や各種訓練の機会などを活用いたしまして、給水場所や災害対策用井戸の場所などの給水情報の周知につきまして、一層力を入れて取り組んでまいります。

以上です。

 

金井えり子 議員 ありがとうございます。東京二〇二〇大会のことですけれども、医療体制などは組織委員会が準備しているというふうには伺いましたけれども、やはりそれによって周りに影響が及ぼされる、それの影響が一番及ぼされるのは世田谷区民なのではないかととても心配しています。ぜひぜひそのあたりのことをしっかりと体制を整えていっていただきたいと要望いたします。

それから、除菌、消毒に対する商品のところにはいろいろ書いてありますけれども、なかなかそういうところも読まない、もう慣れてしまっているので、そういうところを区から啓発していただきたいと思います。