区議会 第1回定例会 予算特別委員会 金井えり子が意見開陳を行いました。

2022年3月29日

金井えり子

令和4年度第1回区議会定例会および予算特別委員会

意見開陳

生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、世田谷区令和4年度一般会計他4件全てに賛成する立場から意見を申し述べます。

(平和と人権)

ロシアのウクライナ侵略は、国際法違反の武力による他国への攻撃であり、明らかに許されない暴挙です。平和都市宣言をした世田谷区として平和資料館や国際交流センターなどの活動を充実させ、足元から平和や多文化共生社会を築いていく必要があります。そのためには、特に子ども、若者が「平和と人権」について深く考える機会を創出することを求めます。

(DXと個人情報保護)

世田谷区のDX推進は、単なる行政のデジタル化ではなく、住民自治や区民の参加と協働を進化させるデジタルデモクラシーの推進です。DXを通じて誰もが参加・参画しやすい区政を実現してください。自治体情報システム標準化・共通化に際しては、従来の区の個人情報保護のしくみを活かし、情報公開・個人情報保護審議会が有効な活動ができるよう取り組むことを求めます。

(住民自治の推進)

地域行政の推進においては、防災の視点を生かした地域の活性化を求めます。まちづくりセンターをはじめとした三者連携、地域活動の主体である商店街、学校、NPO法人や福祉的な資源を区民とつなぎ、災害時に一人も取り残さない地区・コミュニティーを作ることが必要です。各地区の特性をつかみ、住民による自治力を高め「世田谷区地域行政推進条例」が実効性のあるものとなることを求めます。

(環境施策の充実)

「未来つながるプラン」に盛り込まれたSDGsの世界観では、経済、社会を支える基盤に環境を置いています。環境に配慮した持続可能な世田谷区政へ向けた変革を進めなくてはなりません。気候危機対策、2050年CO2排出ゼロのためには、自動販売機やペットボトル削減に代表されるライフスタイルの変革が必須です。今の便利さや収入と未来の命にかかわる環境問題とは、別次元の問題です。中学校への自動販売機試行設置についても、環境教育の機会ととらえ、今一度子どもたち自身の議論の場を設けるよう提案します。世田谷区の全事業に環境配慮がいきわたるよう、区職員の意識向上に向けた研修の充実を求めます。予防原則に則り環境施策を徹底的に進めてください。

気候対策基金が創設されます。環境教育、啓発活動の取り組みを強め、区民から積極的にアイデアを募集し、若い世代の参加参画を引き出すなどして有効活用していかなくてはなりません。環境配慮型リノベーション事業、太陽光発電設備の卒FIT、区庁舎に導入予定のEVの急速充電機の区民利用促進などは、世田谷区民のエネルギーの脱炭素化を支援として有効です。みどり率の向上や樹木の保存、グリーンインフラの充実、歩いて楽しい街づくりなど、脱炭素に向けた都市整備も進めていくよう求めます。

(コロナ対策)

コロナ対策として、生活者ネットワークはこれまでも一貫して重症化しやすい高齢者を中心に、クラスターが起きやすい施設や福祉、医療などのエッセンシャルワークの現場を重点に感染症対策を進めるよう訴えてきました。令和4年度も限られた資源を区民が有効に活用できる対策の徹底を求めます。5歳から11歳までのワクチン接種については、努力義務でなく子どもは重症化した例がほぼないこと、副反応についてなど明確に伝え、慎重な対応を求めます。また、新型コロナワクチンの副反応には、区のコロナの総合相談で受けとめ、医療機関などに的確につなぐよう要望します。

(女性の貧困)

長引く新型コロナの影響により、拡大したといわれる女性の貧困、正規雇用、非正規雇用の賃金格差の解消を早急に行うべきです。同一価値労働同一賃金、誰もが自分らしく生きがいや尊厳を持って働ける「ディーセントワーク」の実現が必要とされています。国際状況の経済への影響も心配であり、今まで以上にひとり一人に寄り添った就労支援、生活再建支援が求められます。

ジェンダー主流化に向けた世田谷区の率先行動として、女性管理職の育成やハラスメントのない職場づくりを更にすすめてください。

(福祉 介護の社会化 質の確保)

福祉施策についてです。介護を、家庭だけの問題とせず、地域の支えと専門的な支援で社会が担う「介護の社会化」を訴えてきました。専門職にふさわしい待遇と職場環境の整備、人材確保と人材育成への支援を強め福祉の充実を図ることを求めます。家庭内介護の問題からうまれたヤングケアラーへは、相談の場や居場所など必要な支援にはやく繋がれるよう支援体制整備を急いでください。「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」実行にむけ、アクション講座、アクションチームづくりを着実にすすめるよう求めます

様々な困りごとを抱える子どもたちへの支援として、福祉と教育の一層の連携強化が必要です。学校現場での教職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、また、特別支援教室(すまいるルーム)の特別支援専門員などの存在は大変重要です。大学連携事業も活用し人材確保、質の担保などをすすめ、子どもたちの最善の利益が保障された環境を目指してください。

民間に委託した事業も含め世田谷区の公的なサービスの質の確保は、区民にとって重要です。現在、福祉分野で行われている第三者評価制度では、運営の透明性が増し区民のサービス選択に役立つだけでなく、事業者のサービスの改善のきっかけにもなるという好循環が生まれようとしています。区民の声を取り入れ、第三者評価制度を活用し、区が今後も責任をもって公的サービスの質の向上に努めていくことを要望します。

(HPVワクチン接種について)

最後に、国の積極的勧奨再開されるHPVワクチンについてです。子宮頸がんは検診により前がん状態を発見することができ、早期発見早期治療ができます。「子宮頸がんワクチン」を接種しても「定期検診」が必要であることの周知が不足し、ワクチンの有効性に偏った情報のみが提供されています。HPVワクチン被害者の支援団体が作成したとてもわかりやすいリーフレット「HPVワクチンのほんとうのこと・ワクチンを打つ前にしっておきたいこと、読んで欲しいこと」ができました。このリーフレットの学校での活用を改めて提案します。HPVワクチンを打つか打たないか、親子できちんと話し合って納得し、本人がしっかり判断できるようリスクとベネフィット両面からの情報提供を求めます。

以上、生活者ネットワークの意見とします。