都政フォーラム「市民がつくる子育て力」

 生活に必要な機能やサービスを、行政にのみ頼っている時代は終わりました。市民の力、地域の力を結集すれば、必要なサービスを本当に使いやすいかたちで生み出すことが可能なのではないでしょうか。生活者ネットワークでは、地域力・市民力を高め、だれもが暮らしやすい社会をめざしています。
 5月の都政フォーラムは、市民レベルで地域の子育て支援に取り組んでいる方たちを迎え、それぞれから報告・発言をいただくシンポジウム形式でおこないました。
報告者は、「駒沢おひさま会(自主保育)」、「空飛ぶバケツ(子育てサロン)」、「キッズルーム てぃんかぁべる(一時保育)」、そして区議会議員の山木きょう子。
報告者の「駒沢おひさま会」は、30年近い伝統ある自主保育グループです。活動費補助は何年か前に生活者ネットも強力に応援・主張して獲得したものの、区の子育て応援ガイドにも自主保育グループは紹介されていません。自主保育の経済面からの厳しさももっと仲間が集まれば多少は解消できます。小さな子を持つ母親たちは、情報はもとより、うまくつくり出せない子育て仲間のネットワークを求めているのです。
社会福祉協議会が独自にはじめた「子育てサロン」については「空飛ぶバケツ」を主宰する森優子さんが、活動を報告するとともに、現状から見えてくる課題に迫りました。
区の施策に触発されて発足したとも言える「ワーカーズコレクティブ」の「キッズルーム てぃんかぁべる」からは、盛況を呈する一時保育のニーズの高さが報告され、現代の子育て事情が垣間見えました。
 区議の山木きょう子からは、区の子育て支援の状況について報告されましたが、「子育て応援します!」と声高らかに条例を作り、専門の課を新設した区の施策も、初めて世田谷に転入してきた子育てファミリーには不便なものだった、ということが参加者からの発言で明らかになりました。そのほか、保育園を職場とする人や病後児保育を起業提案している参加者もいて、示唆に富んだフォーラムとなりました。
                  都議会議員 大河原雅子