区議会 第3回定例会 決算特別委員会 高岡じゅん子が総括質疑を行いました。質問全文をご覧いただけます。

2022年10月4日

高岡じゅん子

令和4年第3回定例会 決算特別委員会 総括 生活者ネットワーク

生活者ネットワークの総括質疑を始めます。 令和3年は、令和2年に引き続き新型コロナ感染症への対応を軸に、8度に及ぶ補正予算が組まれ、時々刻々変わる社会情勢に合わせスピーディーな行政執行も求められた一年でした。生活者ネットワークは、この感染症に対し命を守ることを最優先にした対策を求め続けてまいりました。 令和3年を振り返り、コロナ対策について区長が特に留意した点は何だったのか伺います。   議会と行政が一致して、年末や年度末など出費の多い時期に間に合うよう区民に支援を届けることができたことは良かったです。区がこの2年間に作り上げた、感染症から区民の命を守るための、随時検査のしくみや、介護職員への予防的な抗原検査、オンライン診療のしくみなどを評価します。
とはいえ、コロナによる影響は長期にわたり区民生活を脅かしています。公的な支援を受けるためにも、安定した住所が必要です。住まいを中心に生活を支えるための包括的な支援として、住居確保給付金に注目しています。 令和2年度は、4月に給付条件を緩和したことから、爆発的な利用件数の拡大があり、新規申請件数が令和元年107件に対し令和2年は6,723件となりました。2年を超える感染症流行の波の中、3か月を単位とした支援の特例的な延長により最長15か月までの支給延長が認められたことで、区民が経済的理由で世田谷から転出することをある程度抑制できたのではと感じます。令和3年7月からは、新型コロナウィルス感染症生活困窮者自立支援金の制度も始まり。様々な支援策が打ち出されています。 住居確保給付金の利用状況は、令和2年度に比べ落ち着いてきているようですが、令和3年度と今年度の申請状況や、生活困窮者自立支援金の申請状況について確認します。   年越しを挟んで、年度末まで新型コロナ対応の自立支援は継続するということで、少し安心いたしました。これらの給付金制度の期間が終わっても生活の立て直しができない場合、使える支援は生活保護制度ということになります。
この給付金を使う区民がこれだけいるにもかかわらず、世田谷区の生活保護の利用人数は、この2年間ほぼ横ばいです。この違いはどこから来るのかと、二つの制度の利用者の中心となる年齢層を確認したところ、生活保護世帯の半数以上が65歳以上の高齢者世帯であるのに対し、住居確保給付金の利用者は令和2年4月以降一貫して半数以上が20代・30代の若者層となっています。総務省の雇用統計の数字を見ても、20代前半までの若年層の半数は非正規雇用で働いています。こういった世代が様々な制度を利用して、世田谷区での生活を維持していることが想像されます。コロナで収入に大きな影響を受けるだけでなく、就職活動などにも影響があったのではとも懸念されます。 これらの新型コロナ特例の制度が終了した後も、苦境に立たされている若い区民が、区内で自立して暮らし続けられるような支援が必要です。どのような支援ができるのでしょうか。伺います   令和元年9月と令和4年9月の、年齢層別の世田谷区の人口統計を調べましたところ、30代の人口が1万人減っていることが分かりました。若い世代が希望をもって働き住み続けられる地域となるよう、様々な部署が上手に連携を取った伴走型の支援の更なる充実を望みます。
若者が減る一方で、団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降、高齢者のケアをどう社会で支えていくのか、今のままの介護保険制度で、世田谷らしい幾つになっても住み慣れた地域で安心して暮らせる地域が作れるのか、疑問を抱いています。 介護保険制度は、基礎自治体である世田谷区が経営主体となり、制度の開始以来、一般会計からの繰り入れが必要となるような赤字を出すことなく運営してきていると聞いています。令和3年度も黒字を維持し、先日の補正予算で介護給付費準備基金に積み増しを行いました。 令和3年度世田谷区介護保険事業会計が黒字決算となった理由を、区はどのようにとらえているのか伺います。   区としては、大きな利用控えは起こっていなかったというご認識と、受け取りました。 黒字分を基金に積み増す、意義について確認します。   基金を今後の介護保険料の上昇を抑制するために活用することには賛同したします。介護保険のしくみとして、綿密な需要予測=給付計画を立てるための3年に1度のニーズ調査・事業者調査は大変重要です。入浴サービスなど利用者にとても喜ばれるものに、十分な安全確保の人員が付けられるように、現場の立場から制度の改善に向けた声をあげていく機会として活用し、より良い介護の実現に役立てていただきたいと要望します。
コロナ禍により一時、高齢者の外出機会が減ってしまいました。この経験を経て、人と人の触れ合いや、定期的な外出は生活の質を維持するために欠かせないことを、高齢者本人だけでなく家族も実感しています。 令和3年度、大きな利用控えは無かったとのことでしたが、通所介護サービスでは実利用者が定員に満たない日が続き、経営的には苦しいという声も聞きます。 通所介護サービスなど、新型コロナの影響を受けた介護サービス事業者への支援について伺います。   光熱費をはじめとする物価高騰は、介護事業者にも重くのしかかっています。人材確保のための経費も大変厳しいと言います。できるだけ事務負担の少ない申請方法など、現場の声を聞き、介護サービスの安定的提供に向け、使いやすいかたちでの給付をお願いします。
高齢者の集いの場づくりを専門の事業者だけでなく、区民団体も担ってきたのが、世田谷区の高齢者福祉の特長の一つです。主要事務事業の成果を見ますと、介護予防総合事業の住民主体の通所サービス「地域デイ」は、令和2年よりは参加人数の回復が見られるものの、平成30年のレベルまで戻っていません。健康増進のグループ活動なども、基本計画の当初目標値には届いていません。コロナ禍を経て、地域における顔の見える支え合い活動の重要性は増しています。 住民主体の集いの場づくりを再度活性化し、介護予防総合事業を立て直していく必要があると考えますが区の見解を伺います。   地域デイについて、生活者ネットワークは28の地区全て、区内のどこに住んでいても歩いて行ける場所に作ることを求めてまいりました。今、子ども食堂は今28地区すべてにあると思います。福祉の世界は、子ども・高齢者・障がい者と予算と組織が縦割りになりがちですが、今こんなに増えた子ども食堂をきっかけに、高齢者から子どもまで障がいがあっても無くても、一緒に集える食事の場ができれば素晴らしいと思います。地域包括ケアの地域資源開拓を担っている社協とも連携し、誰もが参加しやすい新たな「地域デイ」や担い手になる団体を育てていくことを要望します
生活者ネットワークは、誰もが働きやすい職場環境の実現を様々な角度から求めて参りました。世田谷区内最大級の人員が働く世田谷区の職場がハラスメントの無い、安心して働ける場となることは、サービスを受ける区民にとっても、区内事業者に対する率先行動としても大切なことです。世田谷区は、令和2年4月に「職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針」を公表し、区の仕事を担う同じ職場で働く委託事業従事者なども職員に準ずるものとし、「ハラスメントの被害者にも加害者にもしない」ため、防止するという方針を示しています。社会と働き方は日々変化しており、 先月、国から、フリーランスの保護に関する法制度についての方向性が示されました。その中で「ハラスメント」に関しては、事業者に対し、ハラスメント行為に適切に対応するための必要な体制の整備などの措置を応ずることを求めています。区は、どのように対応するのか、見解を伺います。   働き方の多様化に、様々な制度が追い付いていないことと、働く人自身に労働者としての権利教育がされていないことが根本にはあると思います。国の対応を待つ状況ですが、
既に、区でも専門家などのフリーランスの方に仕事をお願いしていることがあると思います。 実際、フリーランス(個人事業主)の方が、委託業務を担う中で区職員からハラスメントを受けたときはどのような対応をすることになるのでしょうか。   所管課の内だけでの対応ですと、客観性や風通しのよさに欠けてしまわないでしょうか。将来的には、フリーランスに向けた労働基準監督署のような外部の相談機関の窓口ができるのかもしれません。雇用の形態や、業務契約の種別に関わらず、仕事場での困りごとを広く相談できる窓口が、今切実に求められています。 誰もが自分らしく働ける働き方を求め、分野別の質疑の中でも引き続き質問していきます。以上で生活者ネットワークの総括質疑を終わります。