区議会・第4回定例会報告

区長の人事同意案件では異例! たくさんの“意見つき賛成”

11月28日、本会議場で教育委員の任命に関して「同意」が諮られました。

世田谷区教育委員の定員は5名で、任期は4年。11月30日をもって、教育長の若井田正文氏と教育委員長の那須秀康氏が任期満了となるため、新たな委員を区長が任命、区議会に同意を求めた案件です。

4年間委員長を務めた那須氏はフランスをはじめ、長い海外生活経験から世界の教育事情をよく知り、グローバルな視点から「『自律して生きること』が、国際社会を生きるこれからの子どもたちはこれまで以上に必要となる。自立した人間になるためには、他者と自分をつなぐ言葉、すなわち国語教育が何よりも重要である」という持論をもたれています。そのために特区をとって教科・日本語をスタートさせようという世田谷区が白羽の矢を立てた方です。任期満了とはいえ、再任されないことは非常に意外であり、世田谷の教育にとって損失にもなるのでは、と感じました。

しかし、任命権者は区長です。それなりの考えがあっての人事であるはずで、よほどの問題がなければ反対表明はできないものです。生活者ネットワークは、上記の点を指摘し、新体制で、これまでも求めてきた教育委員会の改革をいっそうすすめることを今後しっかりと見極めていくことを述べ、賛成意見としました。

那須教育長が再任されなかったことには、他に民主連が意見を述べ、若井田教育長の再任については、民主連、社民党、レインボー世田谷が、この間のトップダウンのすすめかた、中学校の52分授業の失敗や学校配布のフリーペーパー「エコリ」の問題、AEDのあやまった配備などを指摘し、改善を求めた上で賛成、無党派市民が反対を表明しました。

区長の人事案件に、賛成多数とはいえ、これほどの意見が述べられたことも、区議会では異例のこと。今後の世田谷区教育委員会に区民のみなさんもぜひご注目下さい。