第2回定例会 一般質問と答弁 2020.6.12 高岡じゅん子

高岡じゅん子議員 通告に従い、順次質問します。

初めに、新たな感染症に対する今後の世田谷区の体制づくりについて質問します。

今年一月から全世界にあっという間に広がった新型コロナウイルスによるパンデミックは、グローバル化経済や地球規模の気候危機などにより、社会の中で弱い立場に追い込まれた人々や備えの十分でなかった国々にむごい爪痕を残しています。ここからどう立ち直り、より公正で安全安心な社会をつくり上げていくのかという課題を私たち全てに突きつけています。

治療薬がなく、ワクチンの開発が間に合わず、陽性者の何割かが無症状で感染を広め、さらに、感染すれば命に関わるというこの厄介な感染症に対し、今回の世田谷区の危機管理が十分だったとは言えません。情報の錯綜、保健所への過度な業務集中など反省すべき点は多々あり、早急な改善が必要です。

まず第一にすべきは、陽性者の発見と隔離を確実に行える検査体制の強化になります。この冬に予想される大きな第二波、第三波に備え、現在まで構築した医師会や検査機関との協力によるPCR検査体制を維持すると同時に、感染者の確実迅速な隔離を可能にするため、抗原検査など最新の知見を生かした検査手法を駆使し、世田谷区で検査が完結できる体制をつくり、また、そのことを区民に伝えて安心してもらう必要があるのではないでしょうか。区の見解を求めます。

限られた入院ベッドを必要とする重症患者のために確保するため、振り分ける仕組みが、三月以降、都を中心につくられてきました。現在の状態ですと患者の発症数は小康状態にあり、病院や滞在施設ともに余裕ができて、新規陽性者の振り分け、滞在場所に困ることはなくなっています。しかし、第二波以降、今後検査能力が向上した上で市中感染が広がれば、様々な症状の陽性患者が今までと桁違いに多数発見されるということが予見されます。最悪の状態でいえば、イタリアやニューヨークのような状態になるということもあり得ます。ある程度軽くて、また、元気で若い方など病状が安定している方は自宅など地域で療養せざるを得ないということも想定しておく必要があると思います。

そうしたとき、ふだんからつながりのあるかかりつけ医などに自宅などでの療養生活の観察や治療などを担ってもらえるような仕組みを考えておくことも、今回、全ての業務が保健所に集中してしまったという経験を生かし、有効なのではないかと考えます。区の見解を伺います。

世田谷区では、平成二十二年三月には世田谷区新型インフルエンザ対策実践計画・地域医療確保計画をつくり、その中には、例えば備蓄物品に関して、蔓延期における要援護者に対する事業継続支援用としての備蓄を行うということが書かれています。この時点で世田谷区には百四十五万枚の大人用のサージカルマスクが備蓄されていたという記録があります。ところが、今年の三月二十四日付の資料を見ますと、三月一日の時点で区のマスクの備蓄は七十三万枚ということが分かります。この間、どのような経緯があったのかは分かりませんが、計画と備えが今回のような緊急事態に対応していなかったということは大変残念です。いつ、どんなタイプの感染症が発生するか、分からない中で、区の事業継続と区民の安全確保に十分な事前準備の重要性がこれほど実感されるときはありません。

世田谷区は、平成二十六年には、国の特措法に基づく世田谷区新型インフルエンザ対策行動計画を定め、新感染症への対応を準備していましたが、今回の実態とはそごが見られます。分析と修正を急ぎ、新感染症への備えを強化すべきです。早急な取組を求めます。

また、外出を控える新たな生活様式は、思いがけない影響を区民生活に与えています。それは、ほかの会派でもおっしゃいましたが、ごみの増加です。特に食品の持ち帰りやデリバリーなどの増加により、透明プラスチック容器の使用が増えています。世田谷区ではこの手の容器の資源回収を手渡し方式だけでしか行っていなかったため、三月以降、資源としての収集が全くできなくなっています。昨年は海洋プラスチックごみの問題が世界的にも注目され、区民モニター調査でもプラスチックの使用減に向けて、多様な意見が集まっています。二〇二〇年、今年は脱プラスチック元年になるということを期待していました。東京都の方針も変化しています。世田谷区も、容器包装リサイクル法にのっとった回収に向け踏み出す時期です。一日も早い透明プラスチック回収の再開と回収手法の改善を求めます。見解を伺います。

続いて、安全安心な介護サービスの継続に向けて質問します。

新しい生活様式に沿った形での福祉サービスの継続もまた大きな課題です。特に高齢福祉のサービスについては、この間、高齢者が罹患すると重症化しやすいという情報もあり、現場は大変な緊張感の中、サービスを継続していただいたことを心から感謝します。国も介護現場に対する慰労金を第二次補正予算に組み込んでいます。この慰労金が一日も早く現場に届くことを望みます。

安全な介護サービス継続のために、計画的な準備の必要性が今回の事態で改めて注目されています。今回、区の補正予算、感染防護支援金だけではなく、安定的なサービス提供に向けた情報の提供や安心安全な介護サービス継続のための感染症対策を各事業所で進めていけるような研修など、区からの具体的な支援を強化すべきだと考えます。区の見解を伺います。

また、今回の事態では機能しませんでしたが、特定接種の事前登録という国の仕組みがありました。この中で、介護、福祉の事業者は、医療や感染症対策に関わる公務員に次ぐプレパンデミックワクチンの接種対象者となっています。この仕組みでは、優先度の高い介護に従事する事業所は事業継続計画をつくり、そして、この事前登録をすることで優先的にワクチン接種を受けられるということになっていました。今、有効なワクチンのない中で感染の連波を食い止めるためには、クラスターの芽を見つけて素早く検査を行い、陽性者をいち早く隔離することしかありません。このプレパンデミックワクチン事前登録の仕組みなどを応用して、クラスターの拡大を有効に抑えるための検査の優先事前登録のような仕組みをつくるべきではないかと提案いたします。区の見解を伺います。

新型コロナの流行によって、地域の支えあい活動の一つとして実施してきた通院時の同行支援が止まっているという情報が地域の方から寄せられました。この支援は健康維持のために必要なサービスですが、支援者も高齢化しており、身体接触の多い外出時の介助を、健康リスクを考えると市民ボランティアで継続することが困難になっています。今回の事態により休止が余儀なくされたことで、介護予防や日常生活支援の重要性がむしろ明らかになり、支え手の不足や、また、高齢化の深刻さも浮き彫りになってきているように感じます。

介護をめぐる人材の高齢化の実態は、昨年度の世田谷区介護保険実態調査でも明らかになっています。特に在宅サービスを支える訪問介護従事者の七割を占める非常勤の五三%以上が六十歳以上。八十、七十、そしてそれ以上の方です。訪問系のサービスの方たちの離職理由というのは、健康上の理由、さらに、定年と高齢のためという回答が他のサービスに比べても多くなっています。今回の事態で健康上の不安が増し、離職者が増してしまうことも懸念されます。在宅介護を支えるための危機的な状況です。

今年は第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定する年に当たっています。今回のコロナの感染症をめぐり、さらに深刻になりかねない人材不足対策を含め、介護現場の実情に合った計画づくりを進めることを求めます。区の見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

 

保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。

まず一点目、PCR検査体制を維持し、抗原検査などの検討も含め、区で検査が完結できる体制をつくり、区民周知に努めるべきという御質問にお答えいたします。

区内におけるPCR検査体制につきましては、区内医療機関による帰国者・接触者外来や保健所での検体採取のほか、世田谷区医師会が運営する地域外来検査センターと玉川医師会が行うドライブスルー方式による検査センターがございます。お話にありました抗原検査につきましては、三十分ほどで感染の有無を判定することが可能となるなど、従来のPCR検査と比べまして判定の時間も早く、早期治療や検査待機中の感染拡大を最小限に抑えるとされております。しかしながら、抗原検査は判定の精度に課題があると指摘されている点などを考慮いたしますと、現行のPCRの体制を基本としながら、様々な検査のメリットを生かした活用方法を検討していく必要があると考えております。また、PCR検査の検体に新たに唾液が追加されるなど、検査手法は多様化しております。

区といたしましては、区内の医療機関等と連携しながら、唾液検査の導入着手をはじめ、発熱外来の立ち上げや病院運営支援を充実させるなどPCR検査体制の構築を図るとともに、区民に安心していただけるよう検査体制等の情報発信にも努めてまいります。

二点目でございます。プレパンデミックワクチンの事前登録の仕組みを応用し、検査の優先事前登録の仕組みをつくるべきという御質問にお答えいたします。

お話にございましたプレパンデミックワクチンの事前登録の仕組みにつきましては現在世田谷区では実施しておらず、現状のPCR検査につきましても、医師の判断の下で必要な医療を提供し、重症化を防ぐことが主たる目的となっております。

本年五月二十九日付の厚生労働省通知では、速やかに陽性者を発見する観点から全ての濃厚接触者をPCR検査対象とするなど、対象者の考え方が変化してきております。こうした変化を踏まえまして、感染拡大を最小限にとどめるために、御提案の取組も参考にしながら、より効果的な感染防止策について検討を進めてまいります。

以上でございます。

 

世田谷保健所長 私からは、新型コロナウイルスで二点。まず、地域医療機関と連携した療養体制を整備することについてお答えいたします。

保健所は、新型コロナウイルス陽性患者には、原則法に基づく入院の勧告をしますが、軽症者等には、国通知に基づき、東京都が実施する宿泊療養への移行を行っております。この間、区内医療機関との連携につきましては、医師会、医療機関との会議を開催し、区内の帰国者・接触者外来を有する医療機関での診察や検査の実施に加え、入院が必要な場合は、東京都感染症診療協力医療機関として登録の医療機関への入院の依頼や、重症な場合は区内指定医療機関への入院調整を担うなど、それぞれの役割を発揮し、連携を深められるよう取り組んでまいりました。

また、それぞれの医療機関の負担軽減を念頭に、医療資機材に関する調整や入院病床の確保については、国、都での支援制度のほか、区としても病床確保への支援を準備しているところです。第二波、第三波に備えて保健所は、保健福祉政策部等の庁内関係部署とともに地域における医療機関の役割を整理し、医療機関相互の連携を推進しながら、陽性患者の対応に御協力いただけるよう関係医療機関へ今後も引き続き働きかけてまいります。

次に、新型インフルエンザ等対策行動計画の分析と修正を急ぐべきではとのお尋ねです。

平成二十一年に世界的に大流行した新型インフルエンザの教訓を生かすため、区は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき策定された政府、都の行動計画を踏まえ、平成二十六年四月に法定計画として、世田谷区新型インフルエンザ対策行動計画を策定いたしました。本計画は、病原性の高い新型のインフルエンザが発生した場合を念頭に、様々な状況に対応できるよう対策の選択肢を示す区の行動計画です。

なお、本計画における予防接種や検査体制等については、これまでの経験値に基づくインフルエンザへの対応を主眼としております。

一方、世界的に感染拡大する新型コロナウイルス感染症への対応として、区は特措法の改正を契機に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、各種対策を進めておりますが、患者の宿泊療養など当該計画の想定を超える事象も数多くありまして、課題があることを認識しております。今般の新型コロナウイルスに関する相談・検査の体制、地域医療との連携、庁内体制など様々な経験を踏まえ、庁内関係所管と連携しながら、本計画を多角的な観点から検証し、見直してまいります。

私からは以上です。

 

清掃・リサイクル部長 私からは、透明プラスチックの回収につきましてお答え申し上げます。

資源の行政回収につきましては、区内約八万か所の資源ごみ集積所からの回収のほか、公共施設内に設置した回収ボックスからの回収や公共施設で待機する回収員に手渡しをしていただく回収員手渡し方式での回収がございます。回収員手渡し方式では、食品用透明プラスチック容器、色柄つきの発泡トレーなどを回収しておりますが、この方式は回収対象品目であることや食品残渣などで汚れていないことを回収員が目視で確実に確認して受け取ることによって、選別後の中間処理コストが不要となるメリットがございます。

しかし、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対策で回収員手渡し方式を実施している公共施設が閉館していることや区民との対面に伴う三密を回避しなければならないことから、回収員手渡し方式を中止しております。新しい生活様式の実践が求められる中で、回収員手渡し方式についても、三密を回避できるように見直すことが必要であると認識しております。三密の回避には回収員手渡し方式を回収ボックスを用いて無人化することが考えられますが、異物の混入による中間コストへの跳ね返りも考えられますので、普及啓発施設で無人化の実験をできるだけ早く実施するなど、経費をかけずに区民の利便性を向上する方法を検討してまいります。

以上でございます。

 

高齢福祉部長 私からは、二点お答えいたします。

まず、介護サービス継続のための支援についてです。

区では、介護施設・事業所に対して、ホームページやファクス等を活用し、国、東京都、区の新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する情報の提供に努めてまいりました。この間、国からは、社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点として、サービス種別ごとに具体的内容のマニュアルが示されております。また、国は、介護事業所がサービスの提供を継続できるよう、感染者が発生した事業者等への掛かり増し経費の支給や感染相談窓口の設置、業務継続計画の作成支援など、さらなる支援策が今国会で審議されております。現在、区では、介護従事者が安心して働くことができるよう、専門家による感染防止対策をテーマにしたオンライン研修の準備も進めております。

また、今後も区のホームページやファクス情報便等により、介護事業者への分かりやすい情報提供に取り組むとともに、必要に応じた国の窓口の紹介や感染症対策アドバイザーの派遣など、丁寧に支援してまいります。

次に、第八期高齢介護計画策定における介護人材不足への対策についてです。

新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、国からは、一時的に人員基準を満たすことができない場合の臨時的な取扱いが示されるなど、介護人材を取り巻く状況はより厳しくなっていると認識しております。区では、新たな介護人材対策として特別養護老人ホームへの宿舎借り上げ支援や訪問系介護事業所が電動アシスト自転車を購入する費用の助成を行うほか、集合研修の実施が難しい現状を踏まえ、福祉人材育成研修センターではオンライン研修の準備を進めているところでございます。

現在、第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に向けた検討を進めておりますが、介護人材に関する取組につきましては、高齢者福祉・介護保険部会にて、介護の仕事への理解、関心の醸成、元気高齢者の参入促進など多くの御意見をいただいているところでございます。また、昨年度設置しました世田谷区介護人材対策ワーキンググループの機能を強化し、現場の御意見をいただくほか、新型コロナウイルス感染症影響下での新しい生活様式に対応した地域の支えあい活動の担い手や介護人材の確保対策の検討を進め、計画づくりに取り組んでまいります。

以上です。

 

高岡じゅん子議員 答弁ありがとうございました。

コロナの検査についてなんですが、やはり発熱時には事前に電話を受けて、指定の時間に診察するとか、感染予防の分かりやすいルールをつくって、かかりつけ医からPCR検査にきちんとつながる。そして、どの診療所でも初期の疑いの患者の方に対応できるような仕組みを地域に早くつくって、第二波までにつくっていただきたいというふうに要望いたします。