金井えり子 議員 生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算外四件全てに賛成する立場から意見を申し述べます。
人口増と堅調な景気に助けられ、令和元年単年度実質収支は黒字となりましたが、ふるさと納税による財源流出や人口の微減があること、これからの感染症などの影響を鑑み、楽観視はできません。
コロナ禍、さらに区の役割が問われます。いよいよ始まった社会的検査がより有効な検査となり、適切な情報発信で区民の安心につながるよう、改めて求めます。
コロナ禍の下、激増した居住支援給付金利用者の生活再建が危ぶまれます。丁寧な就労支援のできる人員配置と同時に、関連死を起こさないためのケースワーカーの人員増強など、生活支援の強化を求めます。住居の安定に向け、住み替え後の支援ができる居住支援法人との連携強化が必要です。
世界規模で拡大する気候変動問題、気候危機対策の推進を急がなければなりません。世田谷区気候非常事態宣言には、未来を担う子どもや若者の声を盛り込み、気候非常事態宣言を行った後も、具体的な計画や取組を区民とともに考える場づくりを要望いたします。
森林環境譲与税について、予算で想定した使途で活用し切れないことが明らかになりました。適切な形で基金に積み、川場村との自治体間カーボンオフセット、区の公共建築物の木材利用など、税の創設目的に合った活用を求めます。
世田谷清掃工場の建て替え案についてです。今必要なのは、大規模な焼却炉を設置することではなく、プラスチックごみの分別に必要な施設などの用地を確保することです。プラスチックごみゼロに向けた宣言とともに、ロードマップを作成し、区民に示す取組を求めます。古着のリサイクルを進め、エシカル消費の周知啓発やSDGs教育の推進を求めます。
浸水被害の軽減について、河川管理者の樋門操作などの専門性の担保は必要です。また、河川敷の樹木等の維持管理は、治水だけでなく、生物多様性の観点でも大切です。グリーンインフラの整備活用、屋上緑化や雨水利用などについて、区民の参加と協働でさらに進めることを求めます。女性防災リーダーの活用で、災害弱者に対する配慮や支援、避難への備えの周知を要望します。
うめとぴあの民間棟、東京リハビリテーションセンター世田谷について、放課後デイの送迎体制の充実、医療ケアが必要な障害児者のショートステイ拡充に向けた夜間勤務の人員確保、高次脳機能障害向けサービスの使いにくさ解消など、基本協定どおりの実現に向けた事業者への指導の強化を求めます。これらの区民の声を生かすため、運営協議会の早期再開が必要です。
新総合事業の訪問や通所は、要支援認定の高齢者にとって欠かせない事業です。このコロナ禍の中も、実態としては、要介護者への介護事業本体とほぼ同じ扱いで継続されているということを確認しました。介護事業会計は全国的にも黒字です。基礎自治体ごとの財政に左右される新総合事業を拡大するのではなく、第八期事業計画期間中も、介護保険事業の当初目的である介護の社会化を後退させないことを求めます。
世田谷区認知症とともに生きる希望条例が成立しました。認知症に限らず、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる共生社会を実現するため、当事者の希望を尊重したケアには、多くの区民の理解と協力が必要です。コロナ禍後も活動しやすい新たな支援や啓発の強化に加え、障害者差別解消条例、手話言語条例の実現を求めます。
DV、性暴力に寛容な社会構造を変えるための啓発や研修、婦人相談員の質の担保など、被害者への必要な支援を求めます。また、子どもたちを性被害から守るため、幼少期から、自分の体を大切にすることや、自分の身を守る手段など、年齢に応じて正しい知識を身につけることが必要です。また、全中学校へ配付するリプロダクティブ・ヘルス・ライツのリーフレットなどの作成とともに、被害者にも加害者にもならないための人権教育としての性教育を求めます。
学校給食には、遺伝子組換え、ゲノム編集など、危険な食材を使わない、食器などは石けんで洗うことを徹底し、子どもたちの手洗いにも石けんを使用することを求めます。
香害の子ども向けチラシは、学校での配付、掲示、授業で使用するなど、有効に活用し、子どもだけでなく、先生、保護者、地域にまで周知啓発を求めます。また、大人向けチラシも機会を捉え、あらゆる場面でより多くの人に広めていただけるよう要望します。
生活者ネットワークは、環境と福祉を優先した、誰もが暮らしやすい持続可能な社会の実現を目指し、区に求めてきました。地域行政条例の検討に合わせ、誰一人取り残されない共生社会の実現、小さな拠点などをきっかけにコミュニティーが活性化され、ユニバーサルデザインのまちづくりが進むよう要望し、生活者ネットワークの意見といたします。