世田谷・生活者ネットワークは、2021年1月22日核禁止条約の発効を心より歓迎します。
世田谷・生活者ネットワークは、1983年の発足以来、世田谷区内の被爆者の方々とともに、核兵器廃絶を求める活動を続けてきました。被爆ブラウスの寄贈をきっかけに始まった平和展示から世田谷区立平和資料館が実現するまで、平和を大切にする心を育てていく事を議会でも求めて続けてきました。
被爆者の方々は、自らの体調不良ともたたかいながら、長く声をあげ続けてきてくださいました。心から敬意と感謝を申し上げます。この度、この被爆者の悲痛な叫びに世界が応え、核禁止条約発効に至ったことは、人々が声をあげ共闘することで、世界は変えられるということをも示しています。これまで努力を続けてこられた全ての方々とともに、この喜びを分かち合いたいと思います。
唯一の戦争被爆国であり、戦争をしないという決意を込めた平和憲法を持つ国家でありながら、日本国がこの条約に賛同していないことは恥ずべきことです。
今回発効する核兵器禁止条約は、1928年のパリ不戦条約や1945年の国際連合憲章、冷戦終結後の世界の指針となった「人間の安全保障」と並ぶ、平和に向けて進む人類のマイルストーン(一里塚)礎となるものです。平和を希求する人類の大きな成果です。核保有国とその傘の下にある同盟諸国の参加が、なお困難な課題となっています。核兵器による安全保障を転換する意志を強く示したこの条約が、核兵器実戦使用の強い抑止力になることは間違いありません。
世田谷・生活者ネットワークは、2019年区議会において、2度にわたり「政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書」を他会派とともに議員提案しました。しかし、2度とも議会の多数決の壁に阻まれ否決されてしまいました。昭和60年(1985年)8月15日に、国の内外に向けて『平和都市宣言』を行った世田谷区として、この状況は乗り越えるべき課題です。
2021年の今、気候変動そしてコロナ禍を経験し、これからの国際関係は、協調と連帯の理念なしでは世界の持続可能性を保つことができないことを、私たちは思い知らされています。国際社会においても、持つものと持たざる者の格差が一層顕わになっています。死と分断をもたらす最大の国際格差は「核の保有」です。核兵器禁止条約の発効は、多くの人々の共感と協力により分断を乗り越える希望をもたらしました。
「次世代に胸を張って手渡せる社会をつくる」これが私たち世田谷・生活者ネットワークの使命です。核兵器だけでなく、エネルギーを原子力発電に頼りヒバクシャをつくり続けることも、日々の生活とつながる「核」をめぐる問題だと私たちは主張し続けます。地球規模で考え(Think globally)地域に根差して活動する(Act locally)ことが大切です。