第1回定例会 一般質問と答弁 2021.2.25 金井えり子

金井えり子 議員 それでは、質問を始めます。

まず、学校など公共施設における石けん利用の推進についてです。

コロナ対策の手洗い、石けんの界面活性剤がコロナウイルスに対し、代替消毒方法として有効であるという評価が、独立行政法人製品評価技術基盤機構、NITEから出されています。殺菌、抗菌が過度になり過ぎる中、区立小中学校では、石けんでの手洗いを基本とすると聞いて安心していましたが、今、子どもたちの中で、手荒れに悩む子が多くいます。学校では、寒い中、換気をしながら冷たい水で手を洗う状況です。手洗いの回数が増えただけでも手荒れリスクは高くなりますが、加えて、手洗い剤によっては皮膚炎を引き起こすと言われる物質が含まれているものもあります。アレルギーの子どもたちも多く、学校で日常的に使用するものは注意する必要があります。手が荒れると細かい作業がしにくくなったり、球技などもできなくなります。これは、子どもの発達にも影響することではないでしょうか。

健康な皮膚は弱酸性の皮膜で覆われています。アルカリ性の石けんが皮膚の表面に触れると、皮膚本来の弱酸性に戻そうとする中和能という保護機能が働きます。皮脂腺から分泌される皮脂が、皮膚常在菌によって加水分解されてできる脂肪酸で中和するそうです。この皮膚常在菌は、石けんで洗うと九〇%落ちますが、一〇%は残ります。この皮膚常在菌は、強い合成洗剤では、根こそぎ落としてしまいます。本来、皮膚が持つ保護機能と常在菌の働きが阻害されると手荒れにつながるのです。

区立小中学校に子どもを通わせる保護者と一緒に、手洗い剤などに関する実態のアンケートをし、九十校中五十三校から回答をいただきました。手洗い剤はどんなものが使われているのか、選んだ理由などを調査しました。使用しているものが石けんか、石油由来の合成洗剤か、商品名、メーカー、価格を併せて伺った中で、石けんと答えた学校の多くで実際に使われていたのは合成洗剤でした。その商品を選ぶ理由としては、以前から使っている、価格、使い勝手、安全性という順番でした。このような理由であれば、安価で安全、さらに水を汚さない環境にも優しい石けんに変えていくことは可能ではないでしょうか。ある区立小学校では、PTAで保護者アンケートをし、石けん使用の要望があったことから、これまで使っていた合成洗剤と石けんの二種類が置かれることになったそうです。子どもの健康を最優先に考え、手洗い剤は石けんにすべきと考えます。区の見解を伺います。

区立小中学校へのアンケートの中から、手洗い剤が手に入りにくい時期があったとも聞きました。学校現場で手洗い剤がないという、そんな事態が、そして、選べないような状況があってはならないと思います。

区で一括購入をすれば、品質、品物の確保という意味でも、価格面でも安心です。区の見解を伺います。

また、食器洗いや洗濯洗剤などと違い、手洗い剤の原材料の表示はとても分かりにくく、選ぶのも困難です。何とか石けんとか、ハンドソープといった名称の合成洗剤もあります。アンケートの結果から、先生方も合成洗剤と石けんとの違いを御存じないこともあると分かりました。これに関して興味がある、研修などがあれば参加したいという回答が二十五校から上がっています。養護の先生方の研究会などへの出張講義があればという要望もありました。養護の先生からほかの教職員への情報共有、校長会などでの呼びかけ、オンラインの短時間の学習会、コンパクトな資料の共有など、時間をかけずにできる周知方法もあると思います。

先生方への石けんと合成洗剤の違いの周知、子どもの健康に関わることですので、ぜひ進めていく必要があります。区の見解を伺います。

世田谷区では、平成四年に環境保全課から区施設における石けん使用の推進として、地域振興課、サービス公社へ周知文が出ています。以降、何年かごとに地区会館や区民センターなどの洗剤の使用状況の調査がされています。その中でも、皮膚に悪影響を及ぼすと言われる物質を含む物の使用がありました。区の施設では、環境面はもちろん、人体への影響も考え、石けん使用を徹底すべきと考えます。

同様に、児童館での石けんの使用状況はどのようになっているのでしょうか。こちらも、子どもたちが利用する施設として手洗いは必須と思います。世田谷区の施設として石けんの使用を進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

次に、自転車マナーの啓発について伺います。

世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画の素案が出されました。自転車自体の性能もよくなり、電動自転車も増え、スタートからスムーズで、坂道なども楽になっています。身近で環境にも優しい便利な自転車ですが、マナーが守られていないため、危険な場面に遭遇することが多々あります。縦横無尽な走行、信号無視や歩行者の脇を猛スピードで走る、一時停止もしない、イヤホンをして周りの音が聞こえていないなど、大事故につながりかねない行動も見受けられます。軽車両ですが、運転免許も要らないことから、子どもから御高齢の方までが気軽に乗っています。

しかし、令和元年の世田谷区内の交通事故は千九百四十件、都内ワースト一です。うち自転車の関与している事故件数は八百八件で、こちらも都内ワースト三でした。この数字は、人口の多さ、交通量などの背景もありますが、事故になっていなくても怖い思いをした人、ヒヤリハット体験をしている人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また、ここのところ駐輪場がすいていると感じることもありますが、一方で、新型コロナの影響で外出自粛による運動不足の解消、感染リスクがほかの移動手段より少ない、自転車通勤に変えた、在宅ワークで近所にちょっと出ることが多くなった、自転車宅配サービスを始めたなど、生活様式の変化で自転車の利用頻度は高まっています。これまでに加え、また新たな視点での自転車マナーの呼びかけが必要です。世田谷区内の自転車利用の現状と変化について、また、今後の区の対応について伺います。

先日、茶沢通りに自転車のナビマークがつきました。このナビマークは、自転車の走る場所や方向などを示すものですが、きちんと区民に伝えられているのでしょうか。自転車は車道左側通行が原則、ナビマークのあるところも自転車優先というわけではない、また、安全のためやむを得ない場合は歩道を通行できる、歩道を走るときには車道側を走るなど、これは基本と思われていることも意外に知られていません。狭いバス通りで車を避けながら安全に走るためにも、自転車の走行ルールやナビマークの周知が求められます。

これまで小中学校では、交通安全教室などがありましたが、コロナ禍において今年度の実施状況はいかがでしょうか。交通安全指導、子どもや保護者への周知、それ以外の方々への情報提供など、どのように啓発を進めているのでしょうか。

ナビマークについては、三鷹市のホームページにとても分かりやすく説明が載っていました。世田谷区でも、例えば、駐輪場やスーパー、自転車販売店と協力し、啓発ボードやポスター掲示、話題にしてもらうなど、幅広い層に呼びかけていくことが必要と考えます。区の見解を伺います。

自分本位なマナー違反も大変多いと感じます。自転車に限らず、車の運転もお互いに相手を思いやり、歩行者優先のゆとりのあるまちづくりを進めていただくよう求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)

 

教育総務部長 私からは、二点につきまして御答弁申し上げます。

まず、学校での石けんの使用についてです。

学校では、接触感染を避ける方法として、石けんや手指アルコール消毒液等を設置するなど、手指衛生を保てる環境を整備し、外から教室等に入るときやトイレの後、給食の前後など、小まめな手洗いを徹底しております。手洗いに当たりましては、石けんやアルコールを含んだ手指アルコールに過敏に反応する場合がございます。このような手荒れの心配がある場合は、流水でしっかり洗うよう指導しております。また、石けん等で洗い終わったら、水気を残さないようにきちんと拭き取るなど、手荒れにならないよう指導しております。手洗いは、接触感染の予防として大変重要です。引き続き、正しい手洗いの仕方を子どもたちへ指導してまいります。

続きまして、手洗い剤等の一括購入につきましてです。

新型コロナウイルス感染症の感染予防物品の購入に当たりましては、校長の判断で迅速かつ柔軟に対応ができるよう、学校に予算を分割して対応することを基本としております。しかしながら、非接触式温度計や手指アルコール消毒液など、当時、購入が困難だった物品などは、区や教育委員会が一括購入し、学校に配付いたしました。感染予防物品の一括購入につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の状況などを注視した上で、現場である学校の声を十分に聞きながら、適切な対応をきっちりと行ってまいります。

以上です。

 

教育政策部長 私からは、石けん等に関する教職員への周知について御答弁いたします。

子どもたちの健康を守る立場にある教員が必要な知識を持つことは、重要であると考えております。学校では、新型コロナウイルス感染症対策として、改めて子どもたちに正しい手の洗い方や、その重要性を伝えております。毎日子どもたちが使用するものについて教職員が正しい知識を得るためにも、石けんと合成洗剤の違いなどについて、校長会を通じて周知してまいります。

以上でございます。

 

子ども・若者部長 私からは、児童館での石けんの使用状況についてお答えいたします。

現在、児童館では、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を図りながら運営を続けております。様々な感染症対策の中でも手洗いは重要であり、入館時や活動の前後などのタイミングで、児童やその保護者たちに励行いただいているところです。手洗い剤について、一般に市販されている液体石けんのほか、議員御指摘の合成界面活性剤不使用の石けん成分だけで作られた純せっけんを使用している児童館は二館確認できております。

現時点で乳幼児を含めた各児童館の利用者からは、手荒れなどの不快を訴える声は寄せられておりませんが、今後とも、手に優しく環境に影響が少ない石けんを選び、使用してまいります。

以上です。

 

土木部長 私からは、自転車マナーについて二点お答えいたします。

まず、自転車利用の現状と変化、また、今後の区の対応についてです。

区が令和二年十月に行った放置自転車実態調査では、駅周辺にある駐輪場の駐輪台数と路上放置台数を合計した自転車乗り入れ台数が前年比で約一七%減少しており、通勤や通学等を目的とした長時間駐輪は、テレワークの普及や外出自粛等により大きく減少しているものと推察しています。また、買物等を目的とした短時間駐輪は、区内の時間貸し駐輪場の利用データ等から、前年度と同程度の利用状況であることを確認しております。

一方、通勤や宅配サービスでの利用、民間シェアサイクルの普及など、自転車の利用形態は多様化しており、走行ルールやマナーについて、これまで以上に幅広く啓発を積み重ねていくことが必要と考えております。自転車への社会的な関心も高まっている中、引き続き自転車利用の実態や動向を注視し、自転車と歩行者双方にとって安全で快適に移動できる環境づくりに努めてまいります。

次に、自転車の走行ルール等の啓発についてです。

ルールやマナーを守らない自転車は、歩行者との接触など、交通事故を招く原因にもなることから、区内における自転車事故を減らすため、これまで以上に交通安全啓発に取り組む必要があると考えております。そのため、コロナ禍の状況においても、三密を避けるなど実施可能な手法を探りながら、小学生への交通安全教室や中学生への事故再現型交通安全教室などを実施するとともに、様々な広報媒体を活用し、啓発を進めています。また、策定中の自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画に関するパブリックコメントでも、交通安全や自転車通行空間の利用も含めた走行ルールの徹底等について、多くの御意見をいただいております。区といたしましては、議員お話しの趣旨を踏まえ、引き続き、「区のおしらせ」やエフエム世田谷などの広報媒体を効果的に活用するとともに、自転車利用者との接点となる民間を含めた駐輪場での啓発強化を図るなど、さらなる手法の工夫にも努め、多様な世代に向けた啓発に取り組んでまいります。

以上です。

 

金井えり子 議員 自転車も、本当に車も、歩行者も基本的なルールをきちんと知って、守っていくということが大事だと思いますので、本当に啓発活動をよろしくお願いいたします。

そして、石けんの利用についてですが、やはり手洗いは本当に大事だということで、ぜひぜひきちんとした正しい手洗いの方法の指導をお願いしたいと思います。そして、先生方に本当によく知っていただきたいとも思いますが、また、先生方の余計な作業を増やさないためにも、区できちんとしたものを選んで一括購入のような形、こちらは必要だと思いますので、ぜひぜひお願いしたいと思い、ここで要望させていただいて、質問を終わります。