令和7年9月 定例会09月26日
生活者ネットワーク世田谷区議団は、議案第百二十一号「令和七年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)」について、賛成の立場から意見を申し述べます。
本補正予算案において、今年六月より始まった多世代近居・同居推進助成事業の申請枠を倍にするため、千二百万円の増額補正が提案されています。当該事業は、子育ての孤立化の解消を目的とした親、子、孫の多世代の近居、同居を推進し、子育てや子どもの見守りなど多世代で互いに支えあう住環境の創出を図ることを目的とするものです。現在進行形で子育ての孤立化や育児ノイローゼなどの課題を抱える方々にとって、目下の問題解決のための一つのかすかな道が示されたと言えます。
しかし、裏を返せば、当初想定を上回る申請があったという事実は、転居によって生活を大きく変えてでも世田谷区に住む血縁家族との近居、同居にすがらざるを得ない、つまり依然として子育ての社会化が十分には進んでおらず、支援が届いていない人たちがそれだけいるという実態を明らかにしたと言えます。
実際、利用世帯の中にはひとり親世帯も含まれると聞きます。そもそも、別々に暮らしていた背景や理由があったはずで、経済的な自立や地域で支えあえる環境が十分整備されていたなら、必ずしも親世帯との近居、同居を必要としなかった方もおられることでしょう。本来、区が最も優先的に取り組むべきは、婚姻や親との近居、同居という旧来型のセーフティーネットに依拠せずとも、孤立せず幸せに子育てができる社会をつくることであると再確認をさせていただき、改めてそのための施策を一層強化いただくことを求めます。
また、私たちは本事業に付随する別側面の影響として、長年かけて少しずつ社会化を進めてきた子育て、あるいはその先にある介護等のケア負担を再び家庭内に押し込めてしまうことを懸念します。まだまだジェンダーギャップの大きい日本社会において、家庭内でのケア負担は、いまだ多くの場合で女性に偏っており、そうした中で世代間の認識ギャップもある親世代との近居、同居をした場合、何が起こるかは明白です。
この点に関して、区がこれまで進めてきた条例や政策に逆行するような事態を決して招くことがないよう、ジェンダー平等、そしてジェンダー主流化に向けた取組を一層進めていただくことも併せて求めまして、生活者ネットワーク世田谷区議団の意見といたします。(拍手)
