区議会第1回定例会 高岡じゅん子が一般質問を行いました。質問全文をご覧いただけます。

2021年2月24日

高岡じゅん子

 

令和3年第1回定例会 一般質問

 

通告に従い順次質問します。

 

初めに、脱原発、脱石油・石炭、区民参加による地球温暖化防止対策の推進についてです。

東日本大震災から10年、ふるさとへの帰還すら困難にしている、福島第一原発事故による放射能汚染。今も災害関連死者の数は増え続けています。2月13日、福島は再び地震に見舞われました。特に何重もの困難に直面している福島の方々に、心からお見舞いを申し上げると同時に。私たちは電力消費地としての東京の責任を、今一度直視すべきです。

昨年10月、世田谷区は気候非常事態宣言を行い、2050年にCO2排出実質ゼロを目指すことを表明しました。区長は原発依存に戻ることなく、二酸化炭素排出実質ゼロを目指す決意を表明されています。唯一の戦争核被爆国でありながら核兵器禁止条約に参加しない日本、地震列島と言われ災害や津波の可能性を知っていても沿岸部に原子力発電所を建て続け、今また再稼働させようとしているこの国のあり方に、私たち生活者ネットワークも大きな疑問感じます。CO2排出ゼロの実現は脱原発と両立させなければ、安全安心な日本を次世代に引き継いでいくことはできません。世田谷区が、都市部における足元からのエネルギーシフトの実例を示すことを求めます。

 

昨年から世田谷区は、区民や事業者に対し「せたがや版RE100」への賛同表明を募集しています。大企業やエネルギー関連の企業だけでなく、世田谷区内のユニークな小規模企業からも賛同の申し出を受けています。個人、事業者に関わらず、これからもっと取り組みたい、学んでいきたいという賛同の声が集まり、自然再生エネルギーへの理解と活用が高まっていく世田谷には可能性が芽吹いています。

 

今年進められる、地球温暖化防止対策地域推進計画の改定は、見直し自体を区民や事業者の参加を引き出すきっかけづくりとし、自分事として地球温暖化防止に取り組む運動につなげていく必要があります。住宅都市世田谷にふさわしいやり方で区民の共感と参加を引き出し、脱原発で、実効性の高い地球温暖化防止対策の実現を図るべきです、区長の見解を求めます。

 

区の更なる率先行動についても質問します。本庁舎の設計にあたっては、50年後を見越した環境性能が求められる中、一定の省エネ創エネの機能が担保されたものになりましたが、2050年CO2排出実質ゼロを達成するには、エネルギー調達と仕事の仕方の両面で今後も更なる工夫が必要です。本庁舎以外の公共施設の維持管理更新のやり方は、世田谷区内最大規模の事業体である世田谷区役所のCO2排出を大きく左右するものです。公共施設の見直しでは、2050年に公共施設に要求される環境性能にも留意した対応が必要です。又、削減しきれないCO2に関して、連携自治体の森林保護などに協力することによる排出権取引の実現に向けた準備も必要となると考えます。区の見解を求めます。

 

世田谷区全体のCO2排出削減は、半分以上を占める民生家庭部門でのエネルギー消費の削減が鍵です。そこで来年度、環境配慮リノベーション事業を環境部署所管にする意義について伺います。国や都なども、住宅の環境性能向上に関し新しい補助や支援の制度を実施していますが、区民には情報を掴み切れません。環境配慮リノベーション事業の窓口は、様々な情報がえられCO2削減に向けた総合的な相談ができるものにすべきです。住宅改修と、世田谷省エネポイントアクション事業を連動させ、改修の効果を区民自身で報告してもらうことで、住宅の省エネ化の価値の見える化に向けた活用することも合わせて提案します。区の見解を求めます。

 

脱石油の重要な要素として、プラごみの問題があります。国や都も、脱焼却に向け方針変換を打ち出しました。2030年までに、国は使い捨てプラスチックの25%削減、東京都は家庭とオフィスビルからの廃プラスチックの焼却量を40%減という目標を掲げています。しかし世田谷区の現状では、プラスチックの集積所回収はPETボトルのみで、大半のプラスチック包材や製品が中間処理施設で燃やされています。資源を有効に使い、海洋プラスチック汚染を食い止め、CO2排出を最小限にするという目的に誰も異論はありません。分別収集の現場を担う区の負担と責任は大きなものがあり、新たな対応策を探すことが急務となっていると考えます。区の見解を求めます。

 

次に新型コロナ感染症対策の着実な推進について質問します。

新型コロナ感染症の日本国内での感染例が報告されて以来一年が経ちました。多くの方が亡くなられ、世田谷区内でも70人近い方が亡くなられています。心からお悔やみを申しあげます。今も病に苦しんでおられる方、治療に尽力されている医療関係者の皆様にも心を寄せ、この質問をさせていただきます。

 

未知の感染症に対し、手さぐりで対策を進めてきた一年だったと感じます。早くから判明したことは、高齢者が発症した場合の重篤化率の高さや高齢者施設でクラスターが起こった場合の危険性でした。世田谷区の社会的検査は、特にこのリスクに着目したものです。早期発見と隔離によって、蔓延と重症化を予防する効果が期待されたわけですが、2月21日現在の累計の感染者数に対する死者の割合が、東京全体で約1.15%であるに対し、世田谷区は0.78%となっています。一定の効果が見られていると評価しています。社会的検査の効果に関しては、今後も発生すると予想される新興感染症への対策に役立つ形で検証し、科学的知見に基づいた政策作り、保健所体制、医療体制、検査体制などの整備に役立つよう活かしていく必要があると考えます区の見解を求めます。

 

ワクチン接種の開始によって、新型コロナ感染症対策は新しい局面を迎えています。2月17日から国立病院などを中心とした医療関係者の先行接種が開始されました。副反応に関してかなり詳細な報道発表も行なわれていますが、それらの個々の情報を整理し、自分や家族の接種について冷静に科学的な自己決定ができるような丁寧な情報提供が必要です。区の見解を求めます。

集団接種会場の密を分散するために地域の医師会と連携し、スピーディーな接種を行うというモデルを発表している自治体もありますが、私たちはワクチン接種事業においては、何よりも安全が第一だと考えます。病気にかからないために、健康な体にあえて異物を入れるのがワクチン接種です。かかりつけ医による接種は、一人ひとりの患者の普段の様子を知っている医師による当日の体調確認など、安全面にこそ最大のメリットがあります。特に過去にアレルギー反応を起こした方など、自分の体への今回のワクチン接種についてかかりつけ医に対し事前に相談できるような情報提供や協力体制づくりなど、より安全な接種を可能にするための準備に万全を尽くすことを求めます。

接種が必要な方が、安全確実に接種を受けられるための高齢者施設での、出前型の集団接種なども地域医療との連携を強化し実現すべきです。更に、65歳以下の接種では、基礎疾患のある方を優先するとしていますがこの場合もかかりつけ医で優先的に接種を行えば、不公平感なく必要な方に早期の接種が行えるのではないでしょうか。

かかりつけ医と連携した、安全なワクチン接種に向けて、区の見解を求めます。

以上で、壇上からの質問を終わります。

 

自席から

ワクチン接種に関しては、安全最優先での実施を重ねて求めます。

プラスチックごみ問題は、今も容リ包装プラスチックの集積所回収をしていない11区共通の課題です。効率的な分別回収のための中間処理施設用地の必要性など、二十三区清掃一部事務組合においても、前向きな議論が行われるよう世田谷区から意見を挙げていくよう強く要望します。

区長に再質問です。

CO2削減のための区の率先行動について、環境政策部からご答弁をいただきましたが、公共施設の環境性能向上は全庁挙げて取り組まなくてはならない課題だと考えます。区長の見解を伺います。